武田薬品工業株式会社
「失敗も諦めなければプラスになる」
「就職活動」…それは大学3年の4月に親しい先輩との会話で初めて身近に感じることができた。それまでは時期が来れば適度にやって、なんとかなるだろうとしか考えていなかった。先輩が「もう疲れた」とか「早くもとの生活に戻りたい」などと言っていることで就職活動がそんなにも苦労するものなのだと知った。それでも先輩は普段よりもイキイキと頑張っているように見えた。そんな先輩を見ているうちに自分も早く就職活動をやってみたいと思うようになった。そこで最も早い時期に採用活動を始める企業を探し、とりあえず参加してみることにした。
大学3年の5月に大手化学メーカー研究職の採用試験を見つけ、外見だけはそれらしくしたものの何の準備もしないままで挑んでみた。会場に到着し、他大学の人と話しているうちに自分が場違いなことに気づいた。まわりの人はみんな大学院生!しかも化学を専攻している人がほとんどで知識スゴイ!今すぐその場から逃げ出したくなる気持ちを抑え集団面接へ。緊張していて40分間何をし、何を話したのかさえ覚えていなかった。その後、数回の面接や筆記試験を通過し最終面接まで進んだものの、こんな自分が内定をもらえるわけもなくあっけなく終わった。この経験がもとで面接対策(自己分析、SPI、志望動機、etc)をとことんやらなくてはと思い、大学3年の夏休みはこれに費やした。その中で志望業界・職種を絞り、業界研究も始めた。今思えば、この夏休みが自分の就職活動の成功に繋がったと思う。
10月からエントリーを始め、12月にはセミナー、1月には会社説明会に参加と志望業界を製薬メーカーとしたため、少し早めの本格スタートとなった。このころには志望順位が自分の中で明確にあり、志望度の低い企業から選考に参加するようにした。それは、採用試験に慣れたいと思ったからだ。当初は、不採用が続きくじけそうになることもあった。そのようなときは家族や同じ業界で就職活動している友達に相談し話しを聞いてもらうことがよくあった。誰かに話を聞いてもらうだけでもずいぶんやる気を取り戻すことができた。4月下旬に第一希望の会社で内定をいただけた時には、うれしさのあまり友達と一晩中はしゃいだ。
就職活動を終えての感想はいろいろなことあったが“とても楽しかった”というものであった。もう一度就職活動ができるなら、またやりたいと思えるほどだ。説明会や選考会場で出会う他大学の人との会話や情報交換も楽しかった。初めて東京でホテル暮らしも楽しく約2ヶ月もホテルに滞在していたため、ホテル従業員の方々と毎朝世間話をするほど仲良くなってしまったほどだ(笑)。家のまわりには畑しかないような田舎育ちの自分にとって、選考で訪れた企業の大きな本社ビルのまえに立つだけで「4月からは自分もここで働くかもしれない」とわくわくもした。満員電車や駅前の人ごみさえ初めての経験で面白かった。
困ったことはふたつ。ひとつはホテル滞在の費用と移動の交通費で、貯金をすべて使い果たしてしまったこと。もうひとつは選考会場までの電車の乗り換えと会場までの道だった。乗り換えは前日に調べて乗り越えられるが、会場までの道は印刷した地図をくるくる回しながら歩いた。そのため2回遅刻してしまったことがあった。そのうちの1回は第一志望の会社だった。「第一志望だったのにこれで終わった」と思いながら、道に迷っている旨の連絡を入れたものの、遅れての到着となった。面接は参加できたものの結果の連絡が来るまではもう無理だと諦めていた。しかし結果は通過だったので驚いた。後から人事の方から聞いたのだがと、「ほとんどの学生は遅刻しそうになると諦めて来なくなるのに、石川君はちゃんと来たからマイナス評価にはならないよ」ということだった。今振返れば、志望度の高い会社での選考には、時間にかなりの余裕を持つスケジュールを組む、事前に下見を行うなどして、絶対に遅刻しないという対策が重要だと考えるが、とりあえずあの時諦めないで良かったと思っている。こうして就職活動は終わった。
これから就職活動をする皆様に伝えたいことは何があっても諦めないで頑張って欲しいということです。就職活動はたいへんなこともあるけど楽しいこともたくさんあります。
最後に、私の就職活動を助けてくださった先輩方、友達、キャリア・エクステンション課の皆様に御礼申し上げます。
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