第四回マレーシア留学報告書 農学部バイオセラピー学科3年 西宮 奈緒子 |
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四月末で学期が終わり、五月から大学は約二ヶ月間の休みに入りました。学期中は小テストや期末テスト、レポートやプレゼンテーションの準備など、とにかく毎日を必死にこなしてきた気がします。英語での試験は、単語を覚えるのと内容を理解することで頭がパンパンになりました。しかし、どのクラスでも実験やプレゼンの班に誘ってくれる人がいたり、マレー語のプリントを英語に訳してくれた人がいたり、教授が英語で授業をしてくださったり・・・そんな人達のお陰で一学期を無事に終えることができ、感謝するばかりです。 私は学期が終わってすぐ、四月末からの二週間、友人の帰省にくっついてボルネオ島サラワ州のクチンという場所に行って来ました。サラワ州はマレー半島よりも涼しく、空が広く感じられました。私の滞在した「クチン」はマレー語で「猫」を意味します。なので、町のいたる所に猫の像があったり、猫博物館があったりとユニークな町でした。また、サラワ州では中国人でも英語を使って生活している人が多いそうで、マレー半島と比べてマレー人やインド人も少なかったです。食べ物も、辛かったり脂っこかったりしないので食べやすかったですし、半島では食べられない野菜や果物もありました。 また、ボルネオ島にはマレーシアの先住民族がいるので、その文化に少しだけですが触れられたことも貴重な体験でした。クチンにある文化村を訪れた時、イミテーションですが各先住民族の家を見ました。森に住む民族の家はとても高さが高く、私は恐くてとても住めないと思いました。一方で、海の近くに住む民族の家は低く内装も違い、暮らしの工夫も知ることができました。 滞在中は、Chinese
Museum, Cat Museum, Waterfront, Wildlife Center, Sematan Beach, Siar Beach,
Sunday Market, Blue Lake, Bako National Parkなど毎日色々な場所に連れて行ってもらいましたが、なかでも一番嬉しかったのは、バコ国立公園に行けたことです。船着き場から小さなボートに乗り、川を渡ってバコ国立公園の入り口に到着します。ここでは、サラワ州にしか生息しない鼻の長い猿(天狗猿)を見たり、トレッキングでマングローブ林を歩いたり、野生のドリアンも見られたりと自然を満喫しました。植物はどれも巨大で、これぞ熱帯!という風景でした。 野生動物センターでは、自然の状態で保護されているオラウータンを見ました。一日二回の食事の時間に合わせて、森から木をつたってやってくるオラウータンは迫力がありました。ビーチは湿気が高く暑かったですが、白い砂浜はとてもきれいでした。日曜市場は規模が大きく、ピンクグアバやレイヤーケーキ等の食べ物から、植物や洋服まで充実していました。サラワ州はマレーシアなのに、家や風景や食べ物などがマレー半島とはまた違い不思議に感じましたが、また行きたい場所の一つになりました。 去年の八月にマレーシアに来て、最初の頃はハウスメイトが全員中国人だったこともあり、私の周りは中国人の友達ばかりでした。新学期が始まってからは、クラスメイトの大半がマレー人だったので、マレー人の友達が一気に増えました。付き合う民族が違うと、食べ物も考え方も生活スタイルも言語も服装も違い、違う視点からマレーシアを見ることができます。マレーシアの事を知れてきたかと思うと、まだまだ知らない事が沢山出てくるので面白いです。 マレーシアでの一日一日はとても長くて濃くて「やっと九ヶ月経たった」と感じます。色んな人との出会いがあって、色んな事を感じて考えてきました。今の時期にマレーシアのUPMに留学できて、みんなと出会えて、本当に運が良かったと思います。残り三ヶ月の留学生活ですが、悔いの残らないように楽しんで過ごしたいです。 |
写真:サラワ州バコ国立公園にて |