第1回 留学報告書
(タイ王国 カセサート大学)
国際食料情報学部 国際農業開発学科
4年 水谷 優理
早いものでタイに来てから1ヶ月が経ちました。私の大学はタイ国、カセサート大学のキャンペンセンという所にあります。カセサート大にはキャンパスが7つあり、そのうちのバンコクから2番目に近いところにあります。とは言っても大学の周りには殆ど何もなく、逆に自然豊かであるので私にとってはとても住みやすい環境にあります。
カセサートには、私が大学2年の時に農大の短期農業実習で1ヶ月間来たことがあるのでどういう所なのかだいたいは分かっていました。そもそも私が短期実習に参加したのは、普段教室内で熱帯農業の勉強はしていても実際に知ることは難しく、熱帯の農業・果樹をもっと自分の目で見て体験したいと思ったからです。そして1ヶ月間滞在し、1ヶ月では物足りないと感じたので1年間行く事を決めました。大学に入る前から留学をしてみたかったので、今留学できている事をとても嬉しく感じています。
では、タイの生活について報告します。(前にも書いたように、一度キャンペンセンに来てだいたいのことは分かっていましたが…)
<寮>
私たちは全寮制で暮らしています。女子寮は全部で13棟あります。私の部屋は新しい棟で3人部屋、少し狭いですがベッド、机が3つずつあります。個人のロッカーがあるので貴重品類はその中へ入れて鍵をかけています。ルームメイトは2年生、3年生です。にぎやかでとても面白い2人で楽しいです。トイレ・シャワーは共同なので別の場所(1棟各階に2箇所、シャワー・トイレ4つずつ)にあります。勿論シャワーはお湯など出ないので水です。そこまで冷たくないので慣れてしまえば今の時期は平気です。部屋には冷蔵庫などはないので飲み物もあまり冷たくはありませんがそれも普通です。ただテレビとラジオはあるので、ルームメイトとDVDを見たり音楽を聴いたりできます。おかげで最近の色々な歌を覚えましたがまだ何を言っているのかは所々しか分かりません。女子寮には門限があり、23時を越えて入ると警備員に名前を書かされ、3回を超えるとアドバイザーの先生に連絡がいき、注意か何かしら罰があるのだと思います。とは言ってもそこまで厳しくはなく、何分か遅れて入っても私はまだ言われた事はありません。男子寮には門限はありません。
→右端がルームメイトのAom皆Aomの友達です。 この日は部屋でご飯を食べました。私は後列・真ん中 |
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寮からの移動は殆どの学生はバイクを使用します。学内が非常に広いのでバイクなしでは移動できないのです。私は自転車を使用しています。自転車に乗るのは主に1年生です。
<食事>
部屋の中に調理するものがないのでいつも外食です。食堂が寮の近くにあるのでそこを利用しています。一食12〜20バーツでとても安上がりで助かっています。食堂の料理はご飯の上におかず、肉など2種類を乗せたもの、麺類、果物、ドリンク、タイデザート等種類は豊富です。あまり食欲がない時にはおかゆもあるのでそれを食べています。また、タイ人はおかずでも麺でも味付けは自分でします。ナンプラーやお酢、唐辛子、砂糖など各店の前に揃ってあり日本人が見たらびっくりするぐらいかけます。麺にも砂糖を入れるところは、日本ではありませんね。しかし、それが意外に美味しいのです。逆にお酢はあまり好きではないらしく、いつもかけすぎだと言われますが私にはちょうどいいです。学内にはメイン食堂が2つあり、まだ行った事のない所もありますがそれ以外にも幾つか店があります。また、午後になると屋台も出るのでそこで買い、部屋で食べたりもします。
→水曜日の学内マーケット
食べ物や生活雑貨、小物等沢山のものが |
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<お金>
キャンペンセンに着いて4日目に、銀行の口座を開いたのでそこに入金しました。口座を開くのはよく分からなかったので、友達に手伝ってもらいました。紙幣は20、50、100、500、1000バーツがありますが、ちょっとした買い物で50や100紙幣を出すとすごく嫌な顔をされ、時には返されるので小銭はなるべくとっておくようにしています。
<気候>
熱帯の国ですが、東京の暑さとそこまで変わらない気がしますが少し歩いただけでもすぐだるくなり疲れてしまうのはやはり日差しが強く暑いからだと思います。だから皆バイクに乗るというのもあるでしょう。今は雨期なので朝は晴れても夕方は雨が降ります。スコールの様に降ることもしばしあります。
<やっかいなもの>
特に蟻に刺されて大変困っています。部屋に沢山出るわけではないのですが、虫除けスプレーなど効果がないのではと思うくらいとても刺されています。タイの友達に聞いて、生協で薬を買ったのですが効いているのか、どうなのでしょう不明です。日本の薬より、ここはタイだからタイの薬の方が良く効くとよく言われます。確かにそうかなとは思います。タイ料理を食べ続ければ刺されにくくなるそうです。料理の中にあるハーブが効くそうです。という事はまだ食べ足りないという事でしょうか。1年後は刺されないのかと期待してしまいそうですが、恐らくそううまくはいかないと思います。
<学生生活>
私がキャンペンセンに来たのは8月で授業の途中なので、授業の正規履修をすることはできませんが何度か友達の授業を聴講させてもらっています。しかし授業のタイ語はとても早いので理解することができません。Power Pointなどで説明してくれるとありがたいと思いました。今は授業の雰囲気をつかむのも大事だけどまずは語学ができないとどうにもならないので、そちらに力を入れようと思い図書館で勉強しています。
8月はスポーツ大会があり、放課後の体育館は熱気に包まれていました。競技もすごいのですが、応援の方がより熱がこもっていた気がします。日本のスポーツ大会とは全く違います。9月の初めにも学科別チアリーダーの大会がありました。タイのチアリーダーは驚くほどアメリカや日本と違います。しかしそれも気合が入っているのでそこが面白い所でもあります。
また、半ばには農大の研究室の先生がタイにいらしたので、私も先生と同行させてもらいチェンマイに行きました。山奥のカンキツ農園等Royal Projectの活動を見学させて頂きました。カセサート意外の大学でPostharvestの研究をされている先生方にも知り合える機会を持てたので良かったです。私の研究室のOGの方にもお会いし、タイで働く事の楽しさや厳しさ、現状などを教えて頂きました。チェンマイは過ごしやすい気候で、他では取れない作物を栽培できるのが特徴です。
←チェンマイのPhra Maha Dhatu
Nabha Mabhapolにて 左から 研究室の先生の岩堀先生、 Peerasak Chaiprasart
(国王の結婚16年を記念して建てられた、こちらは王様の寺
農大のタイ語の授業を受けてから来ましたが、それでも難しくて毎日苦労しています。ルームメイトと初めて会った日は、タイ語は殆ど喋れなくて困りました。日本人だと難しい発音もあり、伝わらないことはしょっちゅうです。想像以上に英語を喋らないので、正直今はとても辛いです。覚えたはずの単語が忘れていたりもするので単語帳を見ながら話したりして少しずつ単語数を増やしています。英語を喋ってくれる子もいますが、英語とタイ語が混ざったりして変な言葉になったりもしているのでもっと努力が必要だと強く感じています。分からなかった単語はすぐメモする様にしているのでペンとメモ帳は手放せません。タイ語がもっと話せればもっと友達との会話も楽しくなるのに、と悔しいです。これからもタイ語に苦労する日々が続きそうですが負けずに頑張らなければなりません。
<友達>
1ヶ月の間で何人もの友達が出来ました。ルームメイトは勿論、その友達、そのまた友達と次々に紹介されます。初めは一度に5,6人紹介されて名前が覚えられなくとまどっていましたがすぐにメモするようになり、またタイ語でどう書くか書いてもらうことで発音もなんとなく合っているように呼べていると思います。同じ名前が何人もいて、似たような名前が沢山いるので言い分けるのに大変な時もあります。農大からは今年は3人がカセサートに来ているので他の2人のルームメイトやその友達とも仲良くなり、学年も1年生から院生までと幅広いです。容赦なく早口で話す人もいれば、ゆっくり話して分かったかどうか毎回確認してくれる人、ジェスチャーや絵を描いて教えてくれる人等、色々な友達がこの1ヶ月で沢山出来た事は嬉しい限りです。今は頼ってしまうことが多いのですがいつも快く迎えてくれ、皆の優しさが心に響いています。そんな友達を大事にこれからもまた元気に過ごしていきたいです。
<感想>
まだ1ヶ月しか経っていないのに1ヶ月前は昔のように感じます。初めの1ヶ月間がこんなにも早いとは思いませんでした。ということはこれから先はもっと早く感じるのでしょうか。1年という限られた中で何ができるか、何をするかは自分次第です。異国の地で戸惑うことは何度もあると思います。そこでどう動くかによって全く違う道を歩むのかもしれません。初心を忘れずに、今という時を大切に、留学生活を十分に楽しもうと思います。また、ちょうど1ヶ月経った時に風邪を引いてしまい1週間くらい長引き1日中寝込んだ日もあったので自己管理はしっかりしなければと思いました。