University of the Philippines
Los Banos 留学報告書4
地域環境科学部 森林総合科学科4年
井口 博愛
4月から5月までは、私の住んでいるLB(Los Banos)のあるルソン島は、乾季にあたります。フィリピンは、乾季、雨季の二つの季節の熱帯気候の国ですが、フィリピン人はこの一年間の中で一番暑い季節である、4月から5月までを夏と呼んでいます。雨季の期間と比べるとほとんど雨は降らず、日中は太陽がギラギラと照りつけて日差しが非常に強いです。しかし、この乾季の間も冷房無しの部屋で生活できたことを考えると、東京の夏の方がもっと湿気が高く、蒸し暑かったように感じます。4月から5月までの最後の報告をします。
■Semester Break
2nd semesterが3月下旬に終わり、4月に始まるsummer classまで約2週間ほど休みがありました。その期間に、フィリピンでは避暑地として有名なBuguioへフィリピン、ベトナム、ミャンマー、カンボジアのUP(University of the Philippines)の友人達と団体で旅行しました。
Buguioは、標高1500mの高山帯に位置しているため、年間の平均気温が20度です。そのため、フィリピンの政府機能も夏の暑い期間だけは、Baguioに移されることから“Summer Capital”と呼ばれています。大統領が夏場の公務を行うThe Mansion House、UP Baguio校、Philippine Military Academy、フィリピンでは珍しいイチゴ農園などを見学しました。Baguioは、生息している動植物がLBとは異なることや、学園都市ということもあり様々なことが学べました。
その他には、日帰りでルソン島の南部にあるQuezon National Forest Parkへ登山し森林散策しました。日本とは全く違うフィリピンの熱帯雨林を登山することは、いつも新しい発見や驚きがあり興味深かったです。
Baguioのイチゴ農園
The Mansion House
Quezon Nation’l Forest Park;友達と登山
semester break中にUPLBキャンパス内で、大事件が発生しました。仲が良いカンボジア人のdorm mateがhold upに遭ったのです。特に留学生の間には衝撃が走りました。私もその事件以来、恐怖で昼間でも一人では出歩けなくなりました。日本とは比較にならないほど治安が悪いことを認識し、本当に細心の注意を払って行動する必要があると思います。
■Summer Class
4、5月の2ヶ月間、Summer Classが開講されます。2ヶ月の短期間のため、ほとんどの科目は土曜日も含め週6で授業があります。帰郷する学生も多いので、開講科目は比較的多くないので選択肢は狭いですが、私はIRNR(Institute of Renewable Natural Resources)という学科で開講されたNatural Science10; Forest as Source of Lifeを受講することに決めました。
IRNRは、森林土壌、育苗、造林、アグロフォレストリー、林木育種等育林施業に関わる研究、試験設計、航空写真、測量技術、成長量査定評価等の方法論、そして社会経済的な森林管理に関する科目まで幅広く網羅されています。Natural Science10は、IRNRで取り扱うほとんど全ての分野の基礎を勉強し、授業の内容によってIRNRの専門分野の教授が授業をします。
私は、Summer Classの最後の週に顔半分が腫れるほどの歯痛に苦しみ、歯科医の判断ミスと処置の遅さにより痛み止めでおよそ一週間耐えなければいけない状態になり、授業を欠席し最後の試験は受けることができませんでした。出発前に歯の検査をしたにも関わらず、トラブルが起きたことは残念でした。
週6回の授業の他に1泊2日でField Tripがあり、Subicへ行きました。Field Trip では、マングローブ林でも実習、熱帯雨林でのトレッキング、博物館、植物園の見学をしました。
Subicには、ピナトゥボ火山の噴火によってアメリカ軍が撤退した場所の跡地に、スービック経済特別区(Subic Bay Metropolitan Authority)のがつくられた場所があります。
そのスービック経済特別区の近くにあるJEST(Jungle Environmental Survival Training) Campという施設で、戦時中にアメリカ軍がゲリラ戦術を学んだ、先住民族アエタ族の生活術を実体験することができました。竹から水分補給をする方法、枯れた竹だけを使って、火をおこす方法を目の前で教えて教えてもらいました。アエタ族の素晴らしいサバイバル術を見て、その大自然を最大限に活用する伝統技術に感動しました。
JEST CAMPでクラスメイトと一緒に
アエタ族の火を起こす方法の様子
昆虫博物館