東京農業大学 「食と農」の博物館 Food and Agriculture Meseum

メニュー

二母性マウス「かぐや」の誕生

講演会 二母性マウス「かぐや」の誕生

二母性マウス「かぐや」の誕生

令和2年1月18日(土)13:30~15:30

 “かぐや”は、本学バイオサイエンス学科の動物発生工学研究室で誕生した特別なマウスです。私たちヒトをはじめとする哺乳類は、遺伝的には必ず父親と母親を必要としますが、この“かぐや”には、遺伝的な父親はおらず2匹の母親(二母性)の遺伝子のみから誕生しました。

 このニュースは「もう父親はいらない」と受けとられがちですが、実はその逆で、私たちは「必ず父親が必要である」ことを改めて証明したのです。
子が持つ染色体の半数は父親(精子)そして残りの半数は母親(卵子)に由来します。哺乳類の染色体には、父親だけが持つ印と母親だけが持つ印が存在し、この印によって、ある遺伝子は父親の染色体からのみ発現する、ある遺伝子は母親の染色体からのみ発現するようにプログラムされています。
 そのため、通常、母親の染色体しか持たない受精卵は、父親の染色体からのみ発現する遺伝子が足りなくなり発生途中で必ず死んでしまいます。
そこで私たちは、遺伝子組換え技術を使って、母親のマウスの染色体が父親の染色体の印を持つようにプログラムし直したのです。この擬似的父親の染色体を持つ卵子の核を正常な雌マウスの卵子に核移植して誕生したのが“かぐや”です。

 “かぐや”が誕生したのは2003年ですが、実は奇跡的に誕生したことも、後年の研究でわかってきました。講演会では、この“かぐや”にまつわるお話を紹介させていただきます。

概要

二母性マウス「かぐや」の誕生
日時:2020年1月18日(土)13:30~15:30
講師:尾畑やよい(東京農業大学 生命科学部 バイオサイエンス学科教授)
会場:「食と農」の博物館1階 映像コーナー
対象:一般
定員:30名(聴講自由)

ページの先頭へ