科目名 バイオナーサリ論 Bionursery Technology (2単位)   

TN-05

農学部・農学科・2年・前学期・火曜・4時限

キャンパス   厚木

 

担当者氏名   雨木 若慶

学習・教育目標

 

バイオナーサリーとは、遺伝的に優れた苗を、効率よく大量に増殖し、高付加価値化し、安定して生産現場に供給するためのシステムである。近未来の農業生産を支える生産システムのひとつとして期待されるが、いくつかの問題を抱えている。基本技術は、細胞・組織培養、装置工学および遺伝子工学などである。本講義では、バイオナーサリーシステムの意義、各生産工程を解説し、各行程の大量培養増殖技術、幼苗の生長促進技術、安定成苗化技術、高付加価値化技術について最新の研究成果を盛り込みながら詳述し、解決すべき問題点と将来性を解説する。

取り扱う領域(キーワードで記載)

ナーサリ(育苗)テクノロジー

バイオテクノロジー

培養・栽培環境の最適化

 

 

 

 

 

 

授業の進行等について(単位制度に基づく授業の進行予定・内容)

 

 

テーマ

内容

授業のねらいまたは
準備しておく事項

1

バイオナーサリとは

バイオナーサリーシステムの概要とその意義

日本の苗生産の現状を調べる

2

植物組織培養の基礎

植物組織培養の設備、培地、外植体、培養方法の概説

植物組織培養法を調べる

3

マイクロプロパゲーション

マイクロプロパゲーション(培養による大量増殖)の手法を解説

前回の植物組織培養法を復習

4

遺伝子導入法

パーティクルガン法、アグロバクテリウム法など遺伝子導入法

遺伝子導入についての予習

5

種苗の高付加価値化

無病苗生産技術、ウイルス検出法、有用微生物接種法など解説

ウイルス病について復習

6

スケールアップシステム

低コスト化のための大型培養槽を用いた大量増殖技術の解説

組織培養法について復習

7

培養ロボットの開発状況

低コスト化のために開発された培養ロボットについて解説

 

8

培養環境の調節

高品質苗生産のための培養環境の調節について解説

植物の生長に関与する環境因子を考える

9

個体変異の検出

アイソザイム分析法、RAPD法、PCR法などを解説

 

10

セル成型苗生産システム

バイオナーセリにおけるセル成型苗生産システムの有効性を解説

セル成型苗について予習

11

接ぎ木苗生産システム

高付加価値化技術としての接ぎ木苗生産システムを解説

接ぎ木について予習

12

バイオ苗生産システム

実際のバイオ苗生産プラントを紹介し、解説

前回までのプリントを復習

13

バイオ苗生産の可能性

バイオ苗生産の現状と将来について述べる

 

14

バイオ苗生産発展の鍵

バイオ苗生産の現状と問題点を示し、発展のための鍵を考察

 

15

予備日

 

 

 

 

教科書及び資料(授業前に読んでおくべき本・資料)

 

 

書名/著者/発行所(発行年)

 

園芸種苗生産学/今西英雄、田中道男、他/朝倉書店(1997)

 

植物バイテクの基礎知識/大澤勝次/農文協(1994)

授業をより良く理解するのに便利な参考書・資料等

  

 

書名/著者/発行所(発行年)

 

バイオテクノロジー概論/池上正人、他/朝倉書店(1995)

 

植物組織培養の新段階/古在豊樹/農文協(1998)

 

この科目を履修する前に単位を修得しておくことが望ましい科目

植物生理・生態学

園芸学

生物学

 

 

学んだことが活用できる領域

植物組織培養技術

培養苗生産技術

 

 

 

 

 

 

 

評価の方法(レポート・小テスト・定期試験・課題等のウェイト)

 毎回の講義の最後に小レポートの提出をもとめ、これで70%を評価する。これに加え定期試験を実施し、残りの30%を評価する。

 

その他受講上の注意事項

 毎回講義内容の資料をまとめたプリントを配布する。

 講義内容の充分な理解には、上記の教科書(必ずしも購入の必要はない)、参考書を用いて、予習、復習を行うことが望ましい。

 

 
 amaki@nodai.ac.jp