東京農業大学

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開発途上国の発展と地球規模の保全を担うパイオニア

熱帯作物保護学研究室

Laboratory of Tropical Plant Protection

環境にやさしく持続可能な農作物保護をめざして

農作物の生産量の3割は病害虫や野生動物により失われてしまうことをご存知でしょうか?
昆虫や菌類・細菌類、そして野生動物は、水田や畑、果樹園などの中だけでなく、収穫後、私たちの食卓に上るまでの間にも品質の低下などを引き起こします。一方、野外には病害虫を抑制する有用な微生物や害虫の天敵昆虫や、送粉者のように果実の収穫量を増やす生物もいます。化学農薬などで生物が一掃されると収穫量はかえって減少するので、すべての虫や菌、そして野生動物の根絶を目指していません。

熱帯作物保護学研究室では、農作物を昆虫や糸状菌(カビ)、そして野生動物などからいかに護るかを、生態学的・生理学的・分類学的な研究を通して、迅速で正確な原因の究明や環境に配慮した持続可能で実用的な総合的病害虫管理技術を確立することを目指しています。

研究対象

植物病理

菌類

植物の病気の約8割は菌類によるものといわれています。Phytophthora菌が、ジャガイモに疫病を起こしてアイルランドで大飢饉を引き起こしたように、あるいはイネでいもち病が問題となるように、菌類病は多くの作物で甚大な被害を起こす可能性を持っています。カビ(=菌類)班では、温帯から熱帯までの農作物に発生する植物病原菌の同定や性状の解明、さらに、病原菌と戦う拮抗微生物の研究を行っています。

昆虫・野生動物

害虫や害獣は最初から害虫・害獣だったわけではありません。農耕の開始や農業革命とよばれる歴史的な生産性の向上といった人類のライフスタイルの変化とともに以前はとるにたらないとされていた昆虫や野生動物による影響が重要視されるようになってきました。とはいっても、100万種以上といわれる昆虫種のなかで害虫はわずか5%程度にすぎません。90%の昆虫は、害虫でも益虫でもない「ただの虫」です。このように多種多様な昆虫の生態を理解することにより、害虫を「ただの虫」にかえるにはどうしたらよいのかを日夜研究しています。

研究内容

植物病理

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<観察>

病原菌の形態の観察を行い同定します。

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<検出>

病原菌やウイルスがどんな植物に感染するか試験します。

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<培養>

無菌状態で菌を分離、さらに培養していきます。

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<接種>

病原菌やウイルスがどんな植物に感染するか試験します。

昆虫

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<実験>

様々な手法、供試材料により生物検定や行動実験などを行います。

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<調査>

屋外で個体群調査やトラップなどを用いた採集を行います。

研究室行事

研修旅行

年に一度、研究室全員で植物園や試験場などに見学に行きます。作物保護に関する現場の生の声を聞いたり各地で採集を行います。

ゼミ・昼食会

毎週月曜のお昼は、室員全員が集まり昼食を食べます。普段の生活や研究の進捗状況などを話して、親睦を深めます。
毎週金曜日は、各室員の興味のある分野についての海外論文を和訳して紹介するゼミを行っています。

収穫祭 文化学術展

様々なテーマで、作物保護について多くの来場者に知っていただくことを目的に毎年、収穫祭文化学術展に出展しています。

その他

毎月テーマを決めたパーティーなどを開いています。今年度はメキシコ料理、生姜などで楽しみました。その他に納会、大掃除、新人講習会、サンプリング調査などさまざまな行事があります。

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