東京農業大学

メニュー

学生が挑む!研究紹介

富士山や尾瀬の野生植物観察をきっかけに阿蘇のアザミを調査する研究に取り組みました

2016年2月26日

平成27年3月卒 植物共生学研究室 宇部市役所(山口県)勤務 竹田咲絵

富士山や尾瀬の野生植物観察をきっかけに阿蘇のアザミを調査する研究に取り組みました竹田咲絵野生の生物に関する研究がしてみたい  私は子どもの頃から虫が好きで虫採りに野山を巡るうち、昆虫たちの棲家である樹木や野草にも目が向くようになりました。高校3年生のときに将来は生物に関わる仕事をしたいと考えていたところ、父から「生物を勉強するなら農業系の大学もおもしろいかもしれんぞ」とのアドバイスをもらい、野生生物について学べる学科を探し、バイオセラピー学科を選んで受験しました。1年次に各研究室の研究概要を確認し方向性を検討  バイオセラピー学科は1・2年次から専門科目が多く、1年次は必修科目が主体、2年次はほとんどが選択科目になります。なかでも1年次のバイオセラピー概論は、各研究室の研究概要をひと通り理解するための講義で、3年次から所属する研究室を選ぶための知識を養う科目でした。また希望する研究室に入るためには、2年次に指定された専門科目を履修しておくことが必要な場合もあり、そのため研究室の選択は1年次のうちから考えておくことが大切でした。  複数の分野を学ぶなかで、1年次の「植物共生学」で多様な植物を自分で採集して標本をまとめたことや、「農業実習」で植物の栽培技術を学んだ授業がとても楽しかった記憶があります。また研究室ごとにおこなわれる2年次の「分野別基礎実験・実習」は、研究室選択の大きな決め手になりました。阿蘇の草原を何度も訪れアザミ属の標本を採集  1・2年次の学びを通じて野生植物の専門領域を深めたいと思い、植物共生学研究室に入室しました。ここで研究をおこなうには、植物の種類をその形態から判断できる眼を養う必要があります。研究室実習では行ってみたいと思っていた富士山や尾瀬ヶ原などを訪れる機会にも恵まれ、初めて見る植物や生育環境を実際に観察した経験は、卒業研究のテーマを探る際の貴重な拠り所になりました。実習では野生植物を学ぶ一方で、コンニャク芋を育ててコンニャクを作ったり、自分たちで栽培した米で餅つきをしたことも。4年次には畑でキュウリやジャガイモ、ダイコンを育て、収穫祭の模擬店でそのダイコンを使った“つみれ汁”を販売するなど、作物の栽培や加工に親しむ体験もしました。  キク科の植物に興味がわき、なかでも特徴的な形態をもつアザミ属を研究したいと思い、卒業研究では「阿蘇の半自然草地に生育するアザミ属の形態変異と集団構造」をテーマに選択。何種類ものアザミ属植物が生育する熊本県の阿蘇を対象に、その生育状況と形態的変異を調べ、雑種の存在の有無を調査・研究しました。こうした研究記録は、環境変化が加速するなか、未来の生物学に貴重な資料になるはずです。阿蘇には数回出かけて200個体近いアザミ属植物の標本を採集しました。標本を同定しながら調査結果を導くまでに、多くの仮説を立てて先生と議論をくりかえしたことは、卒業研究だからこそ得られる奥の深い学びにつながりました。  卒業後は地元の市の職員として、公園の植物を管理する仕事をしています。できるだけ早く樹木医の資格を取得し、研究室時代の学びを生かして多くの来園者を癒すことができる公園作りに貢献していきたいと思っています。

checktheweb_0033_img_02.jpg

checktheweb_0033_img_03.jpg

checktheweb_0033_img_04.jpg

checktheweb_0033_img_05.jpg

checktheweb_0033_img_06.jpg

ページの先頭へ

受験生の方