東京農業大学ISO14001 関連学生環境団体いそべや(ISOの部屋)
フレッシュマンセミナー活動報告

私達はいそべやメンバーは、世田谷キャンパスの1年生と対象に、フレッシュマンセミナーという授業の中で、環境に関する授業の講師を務めさせていただきました。『2008年度東京農業大学ISO14001環境教育・訓練フレッシュマンセミナー』の活動報告をしたいと思います。


◆活動目的◆

@新入生にキャンパスルールをわかりやすく伝え、守ってもらい、快適なキャンパスを作る。
A新入生に環境に興味を持ってもらい、環境を守る行動を自発的に起こしてもらう。


◆活動概要◆

【日時】平成20年3月中旬(実務的な準備) 〜 平成20年6月4日(授業最終日)
【場所】講義・・・・・・・所定の教室
学内施設見学・・・リサイクルステーション、リサイクルセンター
ごみ分別体験・・・1号館吹き抜け喫煙所付近
【学生参加者】29名(+協力者4名)
【内容】東京農大ISO14001の活動の一環として、新入生に対して必修授業「フレッシュマンセミナー」の1コマないし2コマを利用し、環境教育・訓練を行ないました。
<講義の内容>
・東京農大ISO14001
・東京農大リサイクルシステム(廃棄物分別方法)
・キャンパスマナー(自転車、タバコ等)
・協力会社の方より講義
・その他(学内施設見学、分別体験など)
国際バイオビジネス学科では、今回英語での講義に初トライしました。ごみ分別クイズの部分のみ日本語の次に英語でリピートして、その他の部分は英訳したスライドのプリントを留学生に配布しました。英訳のチェックは農環ネットワークのISFの方達に協力していただきました。 講師を学生が担うことにより、新入生に近い立場・視点で授業を進めていくことが出来ます。

◆活動成果◆

【アンケート結果より】
授業の中で、7つの質問に答えてもらいました。記述式の問7については、たくさんある回答の中からいくつか選んで記載します。
問1 今回の授業を受ける前、環境問題についてどのように考えていましたか?
   次の選択肢の中からあなたの考えに最も近いものを選んでください。


1.非常に感心があり、積極的に学び行動することで環境問題の解決に貢献したいと思う
2.ある程度関心はあり、日常生活レベルにおいて自分にできることはしている
3.関心があり環境問題の解決に貢献したいが、何をしたらいいかよくわからない
4.自分以外の誰か(政府・団体)が解決してくれると思う
5.環境問題に関心がない
結果1

1と2と3を答えてくれた新入生が9割強を占め、今年の新入生達は非常に環境に対して関心があることがわかります。


問1の※ 「1」と「2」の回答をした方へ
     では、あなたが普段からしている活動や行動はなんですか?(例:レジ袋を断る)

1.ごみ分別をする
2.レジ袋を貰わない、マイバックを持つ
3.割り箸を貰わない、my箸を持つ
4.エネルギー削減
5.ごみ削減
6.自転車に乗る
7.マナーを守る
8.環境学生
9.再利用
※大きく分類分けを集計してみました。
結果2
この結果からみてわかるように、レジ袋を断る、マイバックを待つことやエネルギー削減に普段から心がけていることがわかります。「エコ」を強く押す世の中になってきていることもわかりました。

問2 今回の授業を受けて、今は環境問題についてどのように考えていますか?
問1の選択肢の中からあなたの考えに最も近いものを選んでください。

1.非常に感心があり、積極的に学び行動することで環境問題の解決に貢献したいと思う
2.ある程度関心はあり、日常生活レベルにおいて自分にできることはしている
3.関心があり環境問題の解決に貢献したいが、何をしたらいいかよくわからない
4.自分以外の誰か(政府・団体)が解決してくれると思う
5.環境問題に関心がない
結果3

問1の回答と比べて、1と2を答えてくれた新入生が大幅に増えました。
1を答えてくれた新入生は約4倍に増え、3を答えてくれた新入生が1や2に移行してくれたことが分かります。

問3 今回の私達の授業はどのくらいわかりやすかったですか?

1.とてもわかりやすく、すべての内容を理解できた
2.わかりやすく、内容全体の8割ほど理解できた
3.比較的わかりやすく、内容全体の半分ほど理解できた
4.わかりにくく、内容全体の2割ほど理解できた
5.とてもわかりにくく、内容を全く理解できなかった
結果3
この集計結果をみてわかるように、授業内容を理解したと答えてくれた新入生は約10割を占め、新入生ほぼ全員が授業内容を理解してくれたことがわかります。

問4 今回の授業内容で、分かりくいと感じたのはどの部分ですか?
1.ISO
2.農大リサイクルシステム
3.自転車
4.タバコ
5.OBS
6.ハチオウ
7.リバース
8.伸光
9.リサイクルセンター
10.リサイクルステーション
結果4
すべての項目で、「理解できなかった」と答えた新入生が1割を下回っています。特に、キャンパスルールの「自転車」「タバコ」については、「理解できなかった」と答えた新入生が1%を下回りました。このことから、キャンパスルールをわかりやすく伝えるというこの授業の最大の目標は達成できたといえるでしょう。

問5 今回とりあげた内容の中で、興味が深まった、または新たに興味を持った内容はありますか?

1.ISO
2.農大リサイクルシステム
3.自転車
4.タバコ
5.OBS
6.ハチオウ
7.リバース
8.伸光
9.リサイクルセンター
10.リサイクルステーション
結果5

授業の中で一番興味を持ってもらえた項目は、「農大リサイクルシステム」でした。ごみ分別のルールは、全ての学生に関係のある大切なものなので、多くの新入生に興味を持ってもらえたことは、とても大きな成果だと思います。また、2番目に多かったのは「ISO」でした。今年は、いそべやのISO企画に参加している人を中心に、ISOについての授業作りをしました。そのせいか、ISOについて興味をもってくれた新入生も多く、「継続的改善」について理解してくれた新入生も多いとおもいます。「ごみ分別のルール」と「継続的改善」を新入生に知ってもらえたので、農大のごみ分別も良くなっていくと思います。


問6 授業を受けて、明日から自分がやれそうだと思った環境活動や行動を宣言してください。

1.ごみ分別をする
2.レジ袋を貰わない、マイバックを持つ
3.割り箸を貰わない、my箸を持つ
4.エネルギー削減
5.ごみ削減
6.自転車に乗る
7.マナーを守る
8.環境学生
9.再利用

                                                   ※大きく分類分けを集計してみました。

結果6

この質問では、「ごみ分別する」という回答が一番多く、約5割の新入生がそう答えてくれました。問5の回答でも「農大リサイクルシステム」についての解答が多かったことから、今年の新入生にはごみ分別を積極的に行ってくれると思います。

 

問7 授業に対する意見(授業内容・学生講師の説明の仕方など)を自由に書いて下さい。

・伸び伸びとした学生生活を送りたいです。(工学)
・環境に対する興味が湧いてきました。(短緑)
・ISOの14001がどういうものか説明がとても分かりやすかったです。(経済A)
・今後自分ができることを実践していく(開発)
・気付いて、考えて行動することは環境以外のことでも大切なことだと思いました。(開発)
・学生のひとたちの授業はとても楽しくて良かったです。(栄養)
・説明をして下さった方々の分かりやすさ、話し方、とても素晴らしく、環境について本当に知りたくなりました。
・特にごみの分別は日常生活に関わっていることだから意識して取り組みたい。(栄養)
・一人一人の協力が大事だと思った。(経済B)
・説明が細かくてごみ分別の大切さがよく分かった。(経済B)
・環境を守ることは自分たちを守ることでもあるので、こういった授業を積極的に行っていくことは大事なことだと思う。(醸造)
・学生講師の取り組みとか講義を聞けて、環境のためにも自分らがしっかりしないといけないと実感しました。(醸造)
・学生の人たちの授業はとても面白くて、もっとこういう授業をふやして欲しいです。(森林)
・とても元気いっぱいでヤル気が伝わってきました。(森林)
・今回の授業で環境に対する考え方が変わりました。(短栄)
・授業の中でも学内施設見学が一番面白くて勉強になりました。(短栄)
・常に環境のコトを意識するのは大切だと思う。分別もしっかりしていきたい。(造園)
・トレーのはがし方を実演していたのがわかりやすかったし、面白かったので、よかったです。実際にリサイクルセンターなどの施設を見学できたのもよかったです。(造園)
・わかりにくいところはありませんでした。聞いていて、とても感心できたし、面白かったです。ハキハキとテンポよく、分かりやすくて、聞いていて飽きませんでした。しゃべりが上手 なので引き込まれて、より内容を理解できました。(造園)
・説明自体で分かりにくい部分はありませんでした。学生講師さんが元気で、とてもわかりやすかったです。ありがとうございました。(造園)
・授業は分かりやすいだけでなく、面白くて、いままであまり関心がなかったことにも関心が持てるようになりました。これからも頑張ってください。(バイオ)
・いそべやの先輩達の発表がはっきり喋っていてスライドショーにも分かりやすく、また面白い工夫を凝らしてくれてとても素晴らしかったです!!(バイオ)
・見えないところで働いて下さっている方や、団体もいるというのに、自分のことしか考えていない節があり、恥ずかしいと思った。(化学)
・見えないところで働いて下さっている方や、団体もいるというのに、農大の学生達は自分のことしか考えていない節があり、恥ずかしいと思った。(化学)
・英語で説明してくれたので日本語で聞き取れなかった部分も理解できました。(ビジネス)
・「環境」という言葉のとらえ方が少し変わりました。自分にもできることがあるので環境学生として実行していきたいです。(短生)
・先輩方の説明が非常に聞きやすく、しっかりとした環境学生になりたいと思いました。(短生)

この質問では、授業内容やいそべやの学生の説明の仕方などについての意見を書いてもらいました。特に、「学生がやる授業はとても面白い。」という意見が多く、同じ学生であるという立場を十分に活かして、ISOやキャンパスルールをわかりやすく伝え、新入生たちにも飽きない授業ができたと思います。また、「環境(エコ)についてもっと知りたくなりました。」などの意見も多く、農大ISOの一つ「環境学生を創る」という部分においても大きな効果があったと思います。

◆総評◆

冒頭でも述べたように、フレッシュマンセミナーは『2000人以上の新入生に対して、直にキャンパスにおけるルール、マナー、そして環境行動を促す貴重な機会』です。
 毎年フレッシュマンセミナーを行なっていますが、東京農大の現状は変わっているでしょうか。確かに、各学科の取り組み事態は変わってきていると考えています。今回「講義」と「実践」に分けてプログラムを組んだ学科もありました。
 しかし、キャンパスを見渡すと、リサイクルトレーの回収棚にはごみが溢れ、生協の裏の水道付近には常にごみが放置。まだまだ現状は「エコキャンパス」とは言えないでしょう。
 この現状を打破していくには「地道な継続」が必要です。環境教育・訓練フレッシュマンセミナーは「フレッシュマン」の枠を越えていくべきだと考えています。東京農大で2〜4年間、またはそれ以上生活する学生達へ、1年生の前期1回の講義だと、農大生として自分達がやるべきこと、やらなければならないことを忘れていってしまうのではないでしょうか。それが現状に繋がっているのだと考えています。「環境教育・訓練の機会を増やしていく」という方向を考えていきたいです。
 実際に今回「講義」と「実践」の2回に分けてプログラムを組んだ学科に関しては、伝えるべきことも抜け目なく伝えることができました。1学科150人を越える学科に90分という時間の中で、「ISO14001、キャンパスマナー、リサイクルシステム」について説明し、更に施設見学を盛り込むことは非常に難しいです。しかし、どれも伝えるべきことであると考えています。やはり「環境教育・訓練の機会を増やしていく」という方向は考えていかなければなりません。
 
フレッシュマンセミナーでは、
@新入生にキャンパスルールをわかりやすく伝え、守ってもらい、快適なキャンパスを作る。
A新入生に環境に興味を持ってもらい、環境を守る行動を自発的に起こしてもらう。

 という目的を掲げています。アンケート結果を見てみると、今回のフレッシュマンセミナーの効果は確実にあり、短期的にみれば目的も達成できたと考えています。しかしこの目的は永遠の課題であり、常に意識していかなければならないものです。先に述べたように継続していくとが重要なので、この新入生の環境に対する意識を持続していかなければキャンパスは変わりません。その為にも、農大生が身近なキャンパスの「環境」に視線を向ける機会を増やしていくべきであると考えます。