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ニュースリリース

東京農業大学総合研究所研究会 生命科学研究部会 講演会開催

2019年11月5日

教育・学術

東京農業大学総合研究所研究会 生命科学研究部会 講演会

日 時:2019年12月13日(金)16:30~18:00
会 場:東京農業大学世田谷キャンパス 1号館633教室

「ゲノム編集作物の開発と社会実装」

筑波大学生命環境系 教授
つくば機能植物イノベーション研究センター長
江面 浩 博士

精密かつ効率的に生物の遺伝子機能を調節・改変できるゲノム編集技術が登場し、様々なライフサイエンス分野での利用が加速している。ゲノム編集技術を用いて、重要育種形質発現に関わる遺伝子を有用変異遺伝子と同じに書き換えることで、品種改良が高速化できることから、この技術に対する関心が高まっており、農作物の品種改良技術として今後利用拡大が予想される。既に米国ではゲノム編集技術を活用し開発した高オレイン酸ダイズから絞った食用油の販売が始まっている。我が国でも、第1期戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)(内閣府:2014-2018)において、ゲノム編集技術を活用した主要農林水産物の改良研究が実施された。さらに、ゲノム編集生物の商業利用のための法整備も進んできており、その社会実装も始まろうとしている。

ゲノム編集技術は、CRISPER/Cas9など様々な手法が開発されてきているが、狙った遺伝子をピンポイントで書き換える(編集)技術と定義できる。主要な農作物のモデル品種・系統のゲノム解読研究、それに続く多様な品種・系統の比較ゲノム研究、さらには従来から進められてきた重要育種形質発現の分子機能解明の研究から、自然に誘発された自然突然変異が永い栽培・品種改良の歴史の中で固定・蓄積され、現在の農作物が出来上がってきたことが明らかになってきている。そこで、近代作物に残されてきた有用遺伝子変異を育種親に直接再現できれば、効率的な品種改良が可能になると期待される。ゲノム編集技術を用いて、重要育種形質発現に関わる遺伝子を有用変異遺伝子と同じに書き換えることで、品種改良が高速化できることから、この技術に対する関心が高まっている。ゲノム編集技術は、迅速育種技術として期待されるため、消費者の嗜好性が強く、一つの作物で多数品種が必要で、品種変遷が早い野菜や花、栄養繁殖性作物などのワンポイント改良には特に相性の良い育種技術である。
本講演では,トマトを事例にゲノム編集作物の開発と消費者に届くまでの課題、具体的には、1)ゲノム編集作物の取り扱いルールの明確化、2)国民理解の促進、3)知財の活用方法などについて紹介する。

主催

東京農業大学総合研究所研究会生命科学研究部会

講演が終わってからは講演者を囲んでの情報交換会をカフェテリアグリーンで予定しています。

申込先

バイオサイエンス学科 太治 輝昭
Email: t3teruak@nodai.ac.jp
Tel:03-5477-2762

講演会、情報交換会ともに参加費は無料です。
皆さま、奮ってご参加ください

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