皆さん、海外で日本庭園に遭遇したことはありませんか? あるいはお近くに、海外で日本庭園を見かけた方はいませんか?
あなたの住んでいるまちには外国人が住んでいますか? わがまちの海外友好都市や姉妹都市を知っていますか?
皆さん、ぜひ今年はこの4つを意識した年にしてみてください。実は、日本の造園家、庭づくりに携わる人々全てが国際人、国際交流の第一線で活躍することのできる仕事を担っているからです。
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京都庭園(ホランドパーク日本庭園、ロンドン)
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さて、海外に紹介され国際社会に取り入れられた日本の文化には、茶、生花、盆栽に始まり、柔道、寿司、カラオケ、アニメ等が世界に広がっています。ヒト・モノ・ココロ・シクミが一体となり、カタチをもった日本文化セットの数々です。難しい話はさておき、いよいよ日本文化セットのカタチに加え、現地の空間・環境になじむ「ジャパニーズガーデン」の世界的普及が始まりました。
既に、世界中には500以上の日本庭園があり公開されています。その内の432庭園は『「海外の日本庭園」調査報告書』(日本造園学会、2006年日本語版、2007年英語版、編集委員長・鈴木誠)に紹介されています。そして全体の三分の一を超える152庭園が「日本の自治体と海外の都市との間に、友好・親善の記念としてつくられた庭園」です。また、近年本格的かつ大規模な個人庭園が、アメリカ、ウクライナ、南アフリカなどに完成しています。現代日本に比べるもののない大規模プロジェクトです。そして、この日本庭園ブームはさらに隆盛する傾向をみせています。
1984年、四半世紀前のイギリスで催された世界初の庭園博「英国・リバプール国際庭園博覧会」において、日本の庭園がグランプリに輝きました。その直後からの10年間1984〜1993年、そして1994年〜2003年の10年間に、それぞれ100を超える日本庭園が、日本国外に新しく造られ公開されました。さらに、その後も年間10以上の日本庭園が海外で造られ、公開されています。
まさに世界は「ジャパニーズガーデン・ブーム」と言ってよいでしょう。
しかし、この数は日本が関与し公共の場に造られた庭園だけをカウントしたものです。海外で独自に造られたもの、個人の庭園はあげていません。したがって、個人庭園を加えると、「今も海外のどこかで、日本庭園が造られ続けている」という現状なのです。
庭づくりする人って、「外国は難しい、言葉もわからん、、、?」という人が多いのでは? いえ、日本の造園家は自然と対話できます、これが世界中どこででも通用するのです。ホントです。
ということで、今年は「国際日本造園年!」、「国際日本庭園元年!」と唱えつつ、仕事に向かう造園家が増えるのでした。
「造園連新聞」平成22年1月1日号(第1075号)掲載記事を改稿
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