植物は、太陽からの光エネルギーを受けて、光合成を行います。
その際に、酸素を出すことは学校などで学んだことがあると思います。
私たちの地球の酸素は、地球ができたときから存在していたのではなく、この光合成によって作り出されたものなのです。
都市の中の公園や道路の街路樹、またビルの屋上の緑など、私たちの周りにはたくさんの植物が植えられています。
これらの植物は、光のある環境では、光合成を行っています。
その際に、空気中の二酸化炭素を気孔から取り込むときなどに、
自動車から排出され大気汚染物質のひとつで酸性雨の原因となるノックス(NOx)などを吸収することが知られています。
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また、買い物に行くお店や毎日通っている学校や職場あるいは自分の家のリビングなどに植物を飾ることはよくありますね。
これらの観葉植物や生花などは、見た目もきれいで部屋のアクセントとなっているばかりではなく、私たちが快適に過ごせるための働きをしています。
生きている植物は、部屋の中に空気に含まれることがある有害な化学物質なども吸収したり吸着したりして、空気を浄化しています。植物はまさに生きた空気清浄機なのです。
現在、規制がされていますが、ほんの10年前まで、建物やビルを新築したり改装したりするなどのときに、接着剤や防虫剤などをたくさん使うことが多く、
これらからホルムアルデヒドやトルエン、キシレンなどの化学物質が空気中に大量に放出されることがありました。
例えば、壁紙を貼る際の接着剤、木工事などで合板などを使用する際の接着剤などにも多く含まれることがあり、
これらの有機化合物を低濃度であっても長時間呼吸によって体内に取り込んでいると、
これらに過敏に反応し、頭痛が起こったり、皮膚にかゆみなどが生じたり、微熱が続いたりなどさまざまな症状が出てくる人がいます。
これらの症状は人によって、また症状もさまざまだったので、病気ではなく、症候群という名前をつけました。これらは主に家などで引き起こされるものだったために
、病の家、シックハウス症候群という名前で呼ばれました。1980年代にアメリカで同様なことが起こった際には、
ビルで引き起こされたので「シックビルディングシンドローム(Sick Building Syndrome)」といわれたものを日本で通用するように命名しました。
その後、小中学校などでも同じようなことが起きはじめたため、「シックスクール症候群」というように呼ばれることになりました。
今では厚生労働省が、これらの建築施工時等に規制を設けたため、以前ほど大きな話題に上がらなくなりました。しかし、いつまた新たな問題が起きるかわかりません。
私たちが、身近な空間に植物を求めることは単なる見た目や飾りのためだけではなく、
私たちが快適に過ごせるためにきれいな空気を生み出しているということを潜在的に知っているからではないでしょうか。
植物がたくさんある空間で過ごすと、ほっとする、癒される、などさまざまな声が聞こえてきます。
これは、私たちの体が潜在的に新鮮できれいな空気や酸素を欲しがっているだからだとも考えられませんか。
私たちが生きていくうえで植物は無くてはならない大切なものなのだということを改めて見直してみましょう。
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