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東京農業大学地域環境科学部造園科学科
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○造園・ランドスケープって?
○第4回「半自然ってなんだろう」
(2008.9.17〜2009.2.10掲載) 根本正之
     
 地球上での人間活動の範囲は発展途上国の経済発展も加わり止まることを知りません。 2008年7月の洞爺湖(とうやこ)サミットでも大きく取り上げられたように、 大気の温暖化や生物多様性の減少、土地の砂漠化・荒廃による食糧不足が緊急に解決を要する地球の環境問題となっています。 手つかずの原生林は地球上からほとんど消滅、長い人類の歴史の中でともに生活してきた半自然の生きものたちも著しい変貌を余儀なくされています。

 半自然(semi-natural)という言葉はイギリスの生態学者A.G.Tansleyの造語です。 彼は実践植物生態学という著書(1923)の2章で「自然に発生してきた植物群落が、 人間や家畜の力によって部分的に決定づけられたり、著しく修正された場合、それを半自然として分類する」と言っています。 「自然に生えてきた木を選択的に切り倒すが、完全に伐採したり、植林することのない森とか、周期的に伐採する雑木林、 周期的に火入れし家畜の放牧に利用するヒース地帯、自然に生えてくる草を放牧や採草に利用する草原」などが半自然という訳です。

阿蘇の広大な草原

阿蘇の広大な草原 photo:栗田和弥


 このような半自然はイギリスだけでなく、昔は日本でもかなり存在しました。 炭や薪の供給地となった、クヌギ、コナラ、クリなどの雑木林、家畜の餌や屋根葺き用のススキが生えていた茅場、 小面積ながら水田の畦や小川の土手、水田を日陰にしないために刈られた谷津田周辺の刈り上げ場などでした。

 現在まで引き継がれている日本の代表的な半自然として、 牛、馬の粗飼料となるススキ、ネザサ、トダシバを得る目的で野焼によって維持されてきた阿蘇の草原、 あまり知られていませんが、静岡県牧之原台地で茶畑に敷くためのススキ−茶畑の敷ワラとして最も適していると言われています。 −を刈り取るために残されたススキが優占している茶草草地をあげることができるでしょう。

 これらの半自然は、ごく日常的なものではありましたが、 農民がその植生を利活用することで長い間維持管理されてきた文化的景観と言えるものです。 しかし、1960年代以降の高度成長社会では石油エネルギーや石油を原料とする数多くの生活資材が開発されたため、 半自然の植生は利用されなくなったのです。 半自然の植生は人間によってもたらされる刈取り、火入れ、家畜の放牧などの攪乱を常に受けることで維持されてきました。 攪乱を受けなくなればヤブ状の植生を経ていずれは土地の気候にみあった森になっていきます。

 かつての日本の半自然では人間が利用した結果、 期せずしてカタクリ、エビネ、ギンラン、ヤマユリ、キキョウ、オミナエシ、ハギなど多くの美しい草花が咲きみだれ、 四季を感じさせる美しい国土を形成していたのです。

 私たちの原風景である美しい半自然を取り戻すためにはどうすればよいのでしょうか。 半自然の保全や復元は私たちランドスケープ・アーキテクトが積極的に取組まねばならない分野でもあるのです。 何故なら「造園」とは緑を活用して都市地域から自然地域までの空間を保全し、創造し、 秩序づける計画やそれを実現させるための総合的な技術体系だからです。 では半自然とどの様な心づもりで接すればよいでしょうか。 私たちはよく「人工と自然の調和共存を図りながら」美しい緑を創生するというキャッチフレーズをみかけます。 しかし、人間の要求は多様であり、要求水準をどこに置くかで、自然との共生が可能な場合から、 造園が物言わぬ自然の破壊者として働くこともあります。

 学生たちやクライアントに正しい自然の仕組みを知ってもらうことを通して美しい国づくりに貢献できる造園科学科をめざしています。