1 学術情報課程とは
 本課程の教育は,企業の情報部,資料部,特許部その他の情報部門,研究開発部門の情報資料部および営業部門ならびに公共図書館,専門図書館,情報センター等において,科学技術に関する情報の調査・収集・整理・保管・検索・提供等にあたる技術者となる基礎を修得させることを目的にしています。この基礎能力は,大学卒業後,研究,技術,営業その他どんな仕事に従事する場合も,非常に役立つものです。
 情報化時代といわれる今日,コンピュータ等の機器は急速に進歩しています。これらのハードを利用する技術を担う人材の養成も大学その他において盛んに行われています。しかし,現在わが国では,科学技術情報の調査から提供までを担当する技術者の不足が見られ,その養成教育は大学における教育の盲点のひとつと言えます。
 図書館は最近,科学とくに自然科学及びその応用分野から情報需要に適切に応える必要に迫られ,情報化社会に対処する図書館のあり方が急速に変化しつつあります。
 情報を取扱う人材養成の教育は,文科系の大学において,図書館司書養成のためのコースで,従来から行われてきました。しかし理科系の大学においては,ほとんど行われていません。その結果,企業や公共機関において,科学技術情報を取り扱う人材の確保に困難を生じています。この社会的要求に応えるには,自然科学系の司書の養成が急務であり,本課程は,社会のこの要求に応えるために開設されました。

2 司書とは
 司書は,図書館法によって定められた図書館に置かれる専門的職員であります。図書館は,図書・記録その他必要な資料を収集し,整理し・保存して,利用に供し,教養・調査研究・レクリエーション等に資することを目的とする施設で,司書はこれらの専門業務を行う職員です。法律による図書館には,司書の有資格者を置くことが義務づけられています。
 なお有資格者の就職先としては,図書館はもちろん官公庁及び企業などの研究開発部門・資料室等が上げられます。

3 司書資格取得について
 図書館法第5条2号で司書となる資格を有する者を「大学を卒業した者で大学において図書館に関する科目を履修したもの」と規定しています。
 この規定に基づいて,本学では卒業要件を満たし,所定の単位(甲群必修12科目18単位及び乙群選択2科目2単位以上,合計20単位以上)を修得した者に対し資格の証明として「図書館に関する科目の単位修得証書」を授与します。