1 学術情報課程とは
本課程の教育は,企業の情報部,資料部,特許部その他の情報部門,研究開発部門の情報資料部および営業部門ならびに公共機関としての博物館,資料館,科学館,児童館,公共図書館,専門図書館,情報センター等において,科学技術に関する情報の調査・収集・整理・保管・検索・提供(展示を含む)等にあたる技術者となる基礎を修得させることを目的にしています。この基礎能力は,大学卒業後,研究,技術,営業その他どんな仕事に従事する場合も,非常に役立つものです。
情報化時代といわれる今日,コンピュータ等の機器は急速に進歩しています。これらのハードを利用する技術を担う人材の養成も大学その他において盛んに行われています。しかし,現在わが国では,科学技術情報の調査から提供までを担当する技術者の不足が見られ,その養成教育は大学における教育の盲点のひとつと言えます。
情報を取扱う人材養成の教育は,文科系の大学において,図書館司書あるいは博物館学芸員養成のためのコースで,従来から行われてきました。しかし理科系の大学においては,ほとんど行われていません。その結果,企業や公共機関において,科学技術情報を取扱う人材の確保に困難を生じています。本課程は,社会のこの要求にこたえるために開設されました。
2 学芸員と司書
学芸員は,博物館法によって登録または指定された博物館(動物園,植物園,水族館および美術館を含む,以下「博物館」という)において,調査・研究・展示等の業務を担当する専門職員であります。なお,博物館には,学芸員をおくことが法律で義務づけられています。有資格者の就職先としては,民俗資料館,植物園,動物園,水族館,総合博物館,その他の社会教育施設,展示企業,さらに近年,県市町村立の博物館が多くなり,これらを管轄する教育委員会では,学芸員資格を有する者を採用する傾向が顕著になってきています。
司書は,図書館法によって定められた図書館に置かれる専門的職員であります。図書館は,図書,記録その他必要な資料を収集し,整理し,保存して,利用に供し,教養,調査研究,レクリエーション等に資することを目的とする施設で,司書はこれらの専門業務を行う職員です。法律による図書館には,司書の有資格者を置くことが義務づけられています。なお,有資格者の就職先としては,図書館はもちろん,官公庁および企業等の研究開発部門,資料室などがあげられます。
3 資格取得について
「学芸員資格」
博物館法第5条第1号で学芸員となる資格を有する者を「学士の学位を有する者で,大学において文部科学省令で定める博物館に関する科目の単位を修得したもの」と規定しています。この規定に基づいて,本学では卒業要件を満たし,所定の単位(8科目12単位)を修得した者に対し資格の証明として「博物館に関する科目の単位修得証書」を授与します。
「司書資格」
図書館法第5条2号で司書となる資格を有する者を「大学を卒業した者で大学において図書館に関する科目を履修したもの」と規定しています。この規定に基づいて,本学では卒業要件を満たし,所定の単位(甲群必修12科目18単位及び乙群選択2科目2単位以上,合計20単位以上)を修得した者に対し資格の証明として「図書館に関する科目の単位修得証書」を授与します。