農業農村工学会 農村道路研究部会

 
 

 農業農村整備事業における農道の整備は、いわゆる農道整備事業に加えて農用地開発・圃場整備・畑地帯総合整備事業などにおいても実施され膨大な事業量にの ぼっている。これら農道は農業生産の基盤としてのみならず生活環境の基盤としても大きく寄与し、さらに地域の開発にも重大な影響を及ぼしている。この様に 農道整備はきわめて重要な工種となっているが、これまでは計画・技術に係わる系統的な研究・技術開発が実施されることは少なかった。しかしながら、農道特 有の計画・技術上の問題はきわめて多く、検討すべき課題や技術開発の内容は山積しており、早急な検討が求められている。

  さらに、公共交通の発達した都市に比べ農村生活においては自家用自動車の利用が必須となっている。生活の拠点である集落においては農村総合整備事業などで 生活環境整備の一環として集落道の整備が進められてきた。しかしながら、これら農道と集落道を系統的に結び付けて農村道路として組織的に検討されることも 少なかった。

このため農業生産の機械化、農産物流通の広域化による農道の発達と連携した農村道路全般の計画・整備の検討が重要となっている。

  この様に農村道路全般にわたる計画・設計・施工・管理に関する研究・技術開発の必要性が増大しているのに対して研究・技術開発に取り組む者の数は限られて おり、しかも分散していて問題の解決や技術開発に対する組織的な取り組みは遅れがちである。さらに農道離着陸場の整備や設計基準の改訂など新しい動きもあ り、安全性・快適性に関する技術開発や地域振興に対する効果を含めた新たな観点を取り入れる方向も出ている。従って、現在時点での農村道路に係わる計画・ 技術・制度の到達点を確認して新しい検討方向を示し、各種課題に取り組む研究体制を作ることが早急に必要となっている。

 そこで、大学・研究機関の研究者および行政現場・民間等の技術者を中心とする研究・技術の交流の場を創設するために、農業農村工学会における農村道路研究部会の設立を図るものである。

農村道路研究部会設立の趣旨