地団研第54回総会シンポジウムVIII
「地質学と自然保護」
■日時:5月5日 午前9時〜午後2時30分
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会場:地下1階メインホール
■世話人:赤羽貞幸(長野支部)・倉川 博(埼玉支部)・後藤仁敏(神奈川支部)・島村雅英(神奈川支部)・末永和幸(千葉支部)・満島裕直(静岡支部)
■趣旨:日本列島の各地では,高度成長期やバブル経済期ほどの勢いではないものの,日々各種の開発事業が行われており,それにともなって自然保護の問題が浮かび上がっている.また.二酸化炭素やフロンの増加にともなう地球温暖化,大量に増えつつある廃棄物処理問題,ダイオキシン,外因性内分泌撹乱化学物質,放射性性物質,遺伝子操作をした食品による人体の汚染など,人類の存亡に関わる地球的規模の環境破壊が進んでいる.一方,1999年6月には環境影響評価法が施行され,環境庁の業務もようやく形のあるものになることが期待されたが,実際には開発のための手続きのひとつになっている例が多く,残念なことに「よりよい意思決定」の為の手法とはならなかったようである.地質学は18世紀の産業革命期における資源地質学から,近年の土木地質学・応用地質学まで,ずっと開発の歴史とともに発展してきた.しかし,ここに来て,生物多様性・生態系の保護、住民の生活や健康維持のための水資源の確保,防災面からの地盤の安全性の追求などから,開発計画が見直される場面もしばしば見られるようになってきた.今回のシンポジウムでは,自然保護の活動に関わってきた方々の実践例に学びながら自然保護の歴史と理念,地質学の果たすべき役割と地質屋の関わり方,さらには21世紀に向けての人類の生存の道について考えたい.
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プログラム:
9時
1. 地質学と自然保護--趣旨説明--・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 世話人会
2. 自然保護の現状と課題ー地質学への要望・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 中井達郎
3. 自然保護は北海道から・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 八木健三
4. コメント:高尾山での保護運動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 小森長生
(休憩)
5. 東海丘陵要素(植物)と自然保護・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 糸魚川淳二
6. コメント:長野県での保護活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 赤羽貞幸
12時 昼休み
13時
7. 湧水に注目した,横浜の市民グループの環境保全活動の事例・・・・・・・・・ 松木房子
8. 自然保護と環境創造ー新しい自然・人間系を考える・・・・・・・・・・・・・ 柴崎達雄
9. 総合討論