地団研第54回総会シンポジウムVII

「微生物と地球環境ー過去,現在,将来」

■日時:5月4日 午後2時〜午後6時20分 

               会場:2階研修室204

 

■世話人:田崎和江(北陸支部)・赤井純治(新潟支部) 

               趣旨:地球の大気圏・水圏・地殻のあらゆる場所に生息する微生物は,地球の元素や物質循環に大きく寄与し,現在も地球環境を変化させている.現在,私たちが使っている,石油や鉄鉱石などは,過去の地球に生息していた微生物の産物であるといえる.また,現在,温泉・河川・湖沼・深海底・地熱地帯などに広く認められるバイオマットは微生物のコロニーが作った構造物であり,様々な元素を蓄積して,鉱物や縞状堆積物を形成している.この堆積物の縞には生息当時の地球環境が記録されており,太古の地球の環境や生命活動の謎をとく鍵がある.一方,大気汚染・土壌汚染・水汚染が進行している現在の地球は,ミクロの目でみると,どのような現象が生じているのであろうか? また,人間の目の届かない深海底や深層に棲む微生物はどのような挙動をしているのであろうか? さらに,地球環境微生物学の進歩は火星の生命まで論じられるのであろうか? 本シンポジウムでは<微生物と地球環境>を地球の過去,現在そして未来の展望について最新の研究データーをもとに討論する.

 

               プログラム

.2:00-2:30;先カンブリア紀の石英中に残された微生物の生体鉱物化作用;現在の生息システムとの比較・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 田崎和江

. 2:30-3:00;微生物による重金属の濃集と砂粒の膠結作用---金沢の砂金、京都八幡の現生高師小僧、薩摩硫黄島にみられる現生ストロマトライト--・・・・・・・・・・ 四ヶ浦弘

. 3:00-3:30;微生物存在下での鉱物の成長と溶解・・・・・・・・・・・・・・ 赤井純治

. 3:30-4:00;生活環境における微生物制御の必要性と地球環境問題・・・・・・ 今井茂雄

(休憩)

. 4:10-4:40;深海底熱水系と微生物;

新しい大洋底ボーリングコア計画,OD21を目前として・・・・・・・・・ 俵 健二

. 4:40-5:10;地下に広がる嫌気生物圏:微生物に見られるTEAの多様性・・・・ 村上由記

. 5:10-5:40;火星に生命体はあるのか、あったのか・・・・・・・・・・・・・ 小森長生

. 5:40-6:20;討論とまとめ