地団研第54回総会シンポジウムV

「伊豆−ボニン−マリアナ弧にみる初期島弧形成過程」

■日時:5月4日 午前9時〜午後5時 

               会場:2階サブホール

 

■世話人:木村純一(山陰支部)・池田保夫(北海道支部)・高橋正樹(東京支部)

■趣旨:伊豆−ボニン−マリアナ弧は,太平洋プレートがフィリピン海プレートに沈み込む事によって形成された海洋弧である.そこにおける火成活動は古第三期に始まり,火山弧としての基本構造は,前縁部のボニナイトを含む初期島弧火山岩類,現在の火山弧である低アルカリソレアイト質岩,背弧側に噴出したアルカリ岩の活動等に代表される.近年,伊豆−マリアナ弧の北部において,地震波速度構造が明らかにされ,島弧地殻下部には塩基性岩,中部にはトーナライト質岩,浅部には花崗岩質岩地殻が存在するらしい事がわかってきた.伊豆−ボニン−マリアナ弧は,海洋地殻同士の沈み込みによって島弧火成活動と火成地殻の形成が行われつつある,非常に若い島弧ともいうことができる.初期島弧は,古い大陸地殻の影響がない事から沈み込み帯における火成作用の成因や,そこで起こる元素移動を議論するのに適している.また,島弧(大陸)地殻形成の初期過程を議論するのに最適の研究題材でもある.本シンポジウムは,伊豆−ボニン−マリアナ弧の火成岩類にまつわる最近の話題を集め,初期島弧火成岩類にみられる特徴を議論する事を目的とする.

               プログラム

<招待講演>9:05-10:10;

伊豆−マリアナ−ボニン弧(IBM弧):海から生まれた初期大陸地殻・・・・・・・・・ 有馬 眞

<第1部> 伊豆−ボニン−マリアナ弧の岩石学

1.10:20-10:45;伊豆−ボニン−マリアナ弧の背弧海盆の岩石化学・・・・・・・ 池田保夫

. 10:45-11:10;富士・箱根火山および周辺地域の第四紀後期火山岩ー特徴と全岩化学組成の

広域変化ー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 高橋正樹

. 11:10-11:35;第三紀丹沢地域の火成活動と花崗岩質地殻の形成・・・・・・・ 川手新一

討論:11:35-12:00

<第2部> 成熟した島弧の火山岩岩石学−初期島弧との比較

. 14:00-14:25;東北本州弧の地殻・マントル構造と島弧火成活動・・・・・・・ 吉田武義

. 14:25-14:50;西南日本弧における第四紀火山活動の時空変遷ー熱構造とフィリピン海スラブの役割・・・・・・・・・・・・ 木村純一・永尾隆志・山内靖喜・角縁 進・岡田昭明・岡田龍平・村上 久・草野高志・館野満実子・澤田順弘・梅田浩司・林信太郎・棚瀬充史

. 14:50-15:15;九州の後期新生代火山岩の分布,活動様式,化学組成の時空変化は沈み込み帯の火山活動で説明できるのか ? ・・・・・・・・・ 永尾隆志・長谷義隆・長峰 智

. 15:15-15:40;四万十帯における海陸境界域での火山 活動・・・・・・・・・ 麻木孝郎

[総合討論] 16:00-17:00;初期島弧研究の課題