東京農業大学 「食と農」の博物館 Food and Agriculture Meseum

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平成24年9月1日(土)~23日(日) 特別展 「牛と人の生活史」-大山錦子が描く世界-展

2011年12月22日

「牛と人の生活史」-大山錦子が描く世界-展








 テレビの画面から原発被災の牛たちの姿はおどおどとした表情が心に残りました。 厳しい寒さに飼料も与えられなく空腹で真冬を過ごさねばならない牛たちを思うと、胸が絞められる思いでした。後日夏毛の牛を見ました。艶やかな全身から健康さが感じられる岩手県の放牧牛でした。ニュースが終わると、気分が明るくなった自分に気がつき「この度のテーマは、これだ!」と確信できました。
 都会の子供たちに「牛?」と問えばスーパーの店頭に並ぶトレイの牛肉かもしれません。私でさえ「牛」といえば、乳牛と肉牛の姿が眼に浮かびます。スーパー種牛を描き続け沢山の知識にふりまわされた結果、焦点を見失っておりました。専門外で興味本位で得た知識を削ぎ落とし、従来の牛と人の関りを描きたいと気がついた訳でした。
 昭和三十年頃から農機具が出回り、それまで一家の働き頭の牛の役目が一変しました。運搬から農作から衣食住に関る牛は人と共に働き大切な労力でした。今暮らしの中で牛を探せば革靴をはじめベルト、鞄、バック、ソフアー、薬、食材など牛は何処 にも見当たります。特に声を大にしたいのは、乳牛の恩恵は食生活の中でトップでしょう、牛乳は子牛が育つ大切な母乳ですが、人の子供にとっても大切な栄養源です。
 東北の被災された方々に慰めの言葉もありませんが、私が出来ることは、牛と人が共同生活を送った懐かしい暮らしを描き、生産者の方々に元気になって頂きたく製作中です。

【プロフィール】
 愛知県犬山市生まれ
 スペイン国立マドリード美術館研究所などに遊学
 第27回日本漫画家協会賞・特別賞受賞
 個展・さし絵・絵本などで幅広く活動
 テーマ:牛・風俗・田舎の暮らし
 日本漫画家協会会員
 日本漫画家会議 



【主催】東京農業大学「食と農」の博物館
【企画・展示案内文責】黒澤弥悦(東京農業大学 学術情報課程教授)
【協力】漫画家 クミタリュウ

 ※この展示に関しまして、作品の撮影は禁止になっておりますのでご了承下さい。

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