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平成24年3月30日(金)~平成26年3月16日(日) 【通年シリーズ】 『醸造のふしぎ』 ― 微生物が醸す世界 ― 展

2011年12月6日

【通年シリーズ】 『醸造のふしぎ』― 微生物が醸す世界 ― 展

 「醸造」とは?「醸す」とは?と問われて皆さんは何と答えるでしょう。
 最近は、菌を題材にしたマンガや、酒蔵、味噌蔵などがメディアによく紹介されているので、『酒、味噌、醤油などを造ること』と答えるかもしれません。辞典や本では、『微生物や酵素のはたらきで、物質を変換したり、食品を製造すること。特に、麹を使って、穀類などを微生物で発酵させて酒、味噌、醤油、食酢などを造ることなど』と書かれていますので、間違いではありません。また、英語で「醸造」を表す言葉としては、fermentation(発酵)、brewing(ビール醸造)、zymolysis(酵素分解)などがありますが、どうもしっくり来ません。なぜでしょうか?
 古代文明の時代からあるビールやワインは、麦芽やぶどうの糖をサッカロミセスという酵母が発酵して造り出したものです。産業革命後、病から人々の命を飛躍的に救った抗生物質のペニシリンは、ペニシリウムという青カビが発酵で造り出したもので、これらは単一の微生物が行うfermentationなどの言葉にふさわしいものなのです。
 しかし、私たちが考える実際の「醸造」とは、複数の微生物の巧みな作用を利用して、私たち人類に有用なものを造り出すこと。その過程で微生物が微生物を活性化したり、制御したりする複雑なものを、知識と経験から産業化したものと考えています。私たちの知っている微生物は地球上に存在する1~5%に過ぎないと言われているため、まだまだたくさんの可能性を秘めています。
 2年間にわたる『醸造のふしぎ』展で、醸造の過去から未来に触れて、観て、体験して、「醸造」とは?という疑問に皆さんなりの答えを出して頂ければと思います。科学は不思議だな?と思うこと、見つからないものを探すことからはじまるものなのです。

東京農業大学応用生物科学部醸造科学科 
准教授 門倉 利守

           
古代ワインの醸造

  
黄麹菌(アスペルギルス オリゼー)

 
麹室
 
【平成24年度】
《展示内容》
1.微生物が醸してきた醸造の歴史
2.微生物が醸す酒類
3.微生物が醸す調味料
4.微生物が醸す新しい世界

《講演会・イベント》
1.平成24年6月9日(土)13:30~15:00 関連講演会「醸造を担う微生物をみてみよう」
2.平成24年7月7日(土)13:30~15:00 関連講演会「お酒のふしぎ」
3.平成24年9月23日(日)13:30~15:00 関連講演会「食用微生物・キノコのふしぎ」
4.平成24年11月14日(水)15:00~16:00 関連イベント「利き酒の仕方」

【平成25年度】
《展示内容予定》
1.醸造のふしぎ~微生物が醸す調味料
2.微生物が醸す新しい未来

《 講演会予定》
1.平成25年5月11日(土)13:00~14:30 関連講演会1「発酵食品の魅力と食酢の健康機能」
2.平成25年6月22日(土)13:00~14:30 関連講演会2「発酵食品における麹菌の機能」
3.平成25年10月5日(土)13:00~14:30 関連講演会3「排水を浄化する微生物を見る」
4.平成25年12月7日(土)13:00~14:30 関連講演会4「有機化学と微生物に関する講演会」


【主催】東京農業大学応用生物科学部醸造科学科、東京農業大学短期大学部醸造学科
【企画・制作・展示及び展示案内慣習・執筆】「醸造のふしぎ展」企画展実行委員会

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