仲間で働くタンパク質


タンパク質はどのように働いているか?
 生物の体の中でタンパク質は単独で働くのではなく、他の仲間タンパク質と共同して働いていることがわかっています。それを相互作用といいます。タンパク質が生体内でどう働いているかということについては、今だ多くが未解明です。 しかし、その仲間同士のつながりを調べていけば、あるタンパク質がどのような性質や機能を持っているかということを推測することが出来ます。このような仲間同士のつながりを調べる為の1つの手法として、Y2H(酵母2ハイブリッドシステム)法が開発されました。

タンパク質はどのように働いているか?
 Y2H(Yeast Two Hybrid)法は1991年にFields博士のグループによって酵母の持つ特殊なタンパク質(GAL4)の特性を生かして開発されました。このタンパク質はDNAと結合する部分(DNABinding Domain :BD)と、BDと結合してDNAの転写(遺伝子の情報を写し取ること)を活性化する部分(ActivationDomain :AD)があります。
 この2つの部分を分けて、BD側には仲間を知りたいタンパク質をくっつけます。AD側にはその生物でつくられる全てのタンパク質を適当に分けてくっつけます。BD側のタンパク質とAD側のタンパク質がくっついた(相互作用した)場合のみ遺伝子の転写が起こり、酵母は培地で生育できるようになります。生えてきた酵母を調べるとその生物で作られる全てのタンパク質の中から相互作用するものだけを選ぶことが出来ます。