採り納めは天城山で



12月24日、研究発表会後の飲み会にで年内最後の"採り納め"が企画された。

坂田さんも私も最近オサ掘りばかりしていたので、まだ採った事のないコルリクワガタを採りに行こうという話になった。
近場ならばトウカイコルリが採れる天城山が良いとのことで、天城マスターの宮尾君が案内してくれる事になった。

しかし時は既に真冬。
コルリクワガタは高山に生息するため、真冬になると材が凍ってしまい採集しにくいという話だ。
が、宮尾君の「まぁ大丈夫だと思いますよ」という言葉を信用して採集は決行となった。
いざとなったら材をリュックにありったけ詰めて持ち帰り、解凍した後割れば良いのだ。

というわけで12月29日、坂田さん、宮尾君、私の3人が静岡県某駅に集まった。



そこからバスに揺られる事約数十分、目的の場所に到着した。
外はとても寒く、地面は白く凍結していた。
こりゃあ材も凍ってる事必至である、果たして採れるのだろうか?
我々は宮尾君の進むがままに登山道へと向かった。



さぁ出発だ!
OBと4年生が1年生にレクチャーをしてもらうというなんとも異質な採集が始まった。


「あっ、産卵マークありましたよ!」

早速宮尾君がコルリ材を発見した。

ほおおぉ~~~う
これが噂に聞く産卵マークか!!


まぁ写真を撮り忘れたので肝心の画像は無いんですが。

確かに(・)のようなマークが材の表面にありました。
初めて見る坂田さんと私、感動。

というわけで本腰を入れて採集開始。
材は凍ってはいるものの、割れない事もない感じ。
宮尾君にどんな材が良いかなどを教えてもらいながら進む。
なかなか成果が上がらなかったが、拳大の大きさの木片を割るとようやく幼虫が出て来た。



なるほど材採集といってもコルリは普通の材採集とは勝手が違う。
普段の材採集では小枝や木片などには見向きもしないので、慣れるまでに時間がかかった。
立ち枯れを崩したらルイスオサムシも出た。初採集なので嬉しい。



段々と居そうな材が分かって来たのが、出てくるのは幼虫ばかり…。
そんな中、遂に宮尾君が成虫一頭目を仕留めた。
採れた材を見せてもらうと、なんとスポンジの様なグズグズの材だった。
どうやらコルリが成虫になる頃には材は黒枯れしてボロボロになるらしい。
産卵マークがついてる材や、白い材などでは幼虫の場合が多いんだとか。
なるほど勉強になる、材採集と言っても今までの常識は全く通用しない。

というわけで一転して白い材には見向きもせず、黒枯れした材を狙う。

すると…

出たっ!!



やっぱり黒枯れでグズグズの材に居た。
う~む、良いムシですね。
しかしこの後はさっぱりだった…。

宮尾君は慣れているだけあって10数頭成虫を採っていたが、坂田さんと私は採れるのが幼虫ばかりでダメダメだった。
そうこうしているうちにバスの時間も迫って来たので、各自良さそうな材をありったけカバンに詰めて帰路に着いた。
後は帰ってのお楽しみである。採集の〆でラーメンを食べて、2011年度の採り納めは幕を閉じた。
"来年も良いムシが採れますように"と願い、静岡を後にした。


~エピローグ~

後日解凍した材を割ったところ、トウカイコルリは見事にボウズだった。
お持ち帰り材に♂が入ってる事を期待していたが、残念な結果となった。
赤枯れの材からマダラクワガタの成虫が3頭、幼虫が4頭出てきた事がせめてもの救いか。
トウカイコルリは幼虫達に頑張ってもらう事にしよう。

 

(左)真ん中に見えるのがマダラクワガタの成虫 (右)採集したトウカイコルリとマダラ

本当に小さいクワガタだ。トウカイコルリが巨大に思える。
フィールドで割っていたら見落としていたと思う。

2011 学部4年 松岡