吐咖喇列島採集記
相馬純
今回は小島先生と私(相馬)、小川で行った吐咖喇列島での調査について書こうと思う。
曇天の夕方に離陸した飛行機に乗って私たちは鹿児島へと降り立った。
本来ならばこのままフェリーとしまに乗る予定だったのだが、台風の影響で出港が二日後に延期してしまった。
止むを得ない事態に、私達は仕方なく出港の時まで鹿児島市内で「立ち往生」をした。
そして、ようやくフェリーとしまに乗り込み口之島へと向かった。
翌日の夜明け前、私達は口之島へと上陸した。
現地での採集の様子。
トラップを用いた採集も試みた。
口之島で出会った昆虫達。
リュウキュウチクに覆われた山を登ると、中之島が見えた。
夕暮れの集落を歩いた。
海辺で南国の日没を拝んだ。
早朝に口之島を後にして悪石島を目指した。
旧北区の果ての集落は、神無月にしてなお暑さを残していた。
悪石島で出会った昆虫達。
エメラルドブルーの海を眺めながら御岳の頂上まで行った。
湯泊温泉の周囲には良い環境が残されていた。
点在している小さな神社に足を運んだ。
強風の根神山にも果敢に登った。
南国の岸壁に打ち付ける怒涛を覗き込んだ。
昼過ぎにフェリーとしまに乗り込み吐咖喇列島に別れを告げた。
夕陽に薩南諸島を眺めながら再び九州の土を踏んだ。
疲労困憊した肉体に放り込んだカレーは調査を終えた安堵感を与えてくれた。
翌日の飛行機で私達は現実世界へと引き戻された。