地元に戻り、高校教員に。地域を支える人材を育成したい。
田中 雅紀 さん
地域環境科学部 造園科学科/ガーデンデザイン研究室(当時) 平成28年3月卒業/群馬県立大泉高等学校勤務
農業高校の教師をめざし、東京農大へ
子どものころから見てきた田園風景。日本の稲作は、縄文時代から脈々と続いてきました。何千年もの昔の田園風景はどんなだったのだろうと古代に思いを馳せ、稲穂が並ぶ景色を眺めていました。その農業の普遍性に惹かれて、中学卒業後は農業高校に進学。農学の中でも特に造園に興味をもつことができ、将来、私も造園を教える立場になりたいと思うようになりました。
まずは、造園に興味をもつきっかけを与えられるような知識と技術を身につけたいと考え、短期大学部の環境緑地学科に入学しました。在学中は、緑地計画学研究室に所属し、地域のランドマークをテーマに地域デザインの研究に打ち込みました。
五感すべてを使って「土地の声を聞く」
その後、高校時代からの夢である「高校の教員」になるために、教員免許が取得できる地域環境科学部 造園科学科3年次に編入。ガーデンデザイン研究室に所属し、「庭園」をテーマにした研究に取り組みました。
実践的なフィールドワークを重ね、五感すべてを使って「土地の声を聞く」感覚を学びました。ひと口に庭園といっても、どのような土地で、どんな人が、どのように利用するのかによって考慮するデザインのポイントが変わります。いちばん大事なのは知識でなく、実際に足を運んで、見て、聞いて、触って、考えたうえで土地の特性や可能性を感じ取ること。これは、地域づくりの一端を担うようになった今でも、大切にしている指針となっています。
地域のために「何かをしたい」という気持ちを教えたい
現在は、農業高校の教員という立場で生徒を育て、地域を支える人材を輩出していくことをめざしています。そのための目標が、ふたつあります。ひとつは、生徒たちに農業の魅力をしっかりと伝えて、農業に興味をもつ多くの人材を育てること。もうひとつは、教員を続けながらも、農地をどう活用していくかを研究すること。自ら研究しながら、生徒に還元していく教育を実践したいと考えています。
私はいままで、常に素晴らしい先生方に巡り合ってきました。同じように、私も生徒から「素晴らしい先生に巡り合えた」と思ってもらいたい。生徒と向かい合い、東京農大で学んだことを教え、地域づくりに貢献していくのが私の夢です。