環境基盤創成分野 水利施設工学研究室
水資源にかかわる環境保全システムの構築
当研究室では、水路などの水利施設の設計などに加えて、未利用資源を活用した農業汚濁水の水質浄化、水文モデルによる降雨流出時を対象とした農業流域河川の流量・水質変動予測といった農業と水質源に関わる教育・研究に取り組んでいる。具体的には、農業排水の水質改善を目指した石炭灰の再利用法、数理モデルによる農業流域河川の洪水予測、水路における騒音問題の改善に向けた水利施設の設計法など、フィールド調査や室内実験を通じておこなっている。これらの研究活動を通じて、環境に配慮した基盤施設の計画・設計・持続管理に携われる技術者を育成している。
紹介動画・ポスター
所属教員
学生の主な研究テーマ
・ハイブリッド型ロードヒーティングシステムの融雪特性に関する研究
・フルード相似に基づく粗度係数の評価方法に関する基礎的研究
・住宅地域における降雨時の河川流出特性に関する研究
・インターロッキングブロックの荷重分散特性に関する研究
・コンクリート舗装における路盤の支持力特性に関する研究
・井の頭公園における利用者参加型水質浄化システムの構築に関する研究
・流水条件下における炭素素材の水質浄化機能に関する研究
FREE TALK
研究室に入ってみて感じたこと
研究室で1年間を過ごして,私は研究室での活動というのは能動的に動くことが求められると感じました.至極当たり前ですが実際は至らないことの連続で、そこから得た教訓は多くあります.収穫祭文化学術展での研究発表では,テーマ決定からデータ収集・発表形式まで研究室全体で一から作り上げる事が要求され,そのため,自分たちで考え,話し合いながら確実に形を創っていかなければならず,少しでも消極的な姿勢で取り組めば停滞を引き起こし,周囲へ多大な迷惑をかけてしまうことになります.
また,積極的に先輩の実験を手伝うことで,実験方法や機材の使い方など,授業だけでは学ぶことのできない貴重な経験を得ることが出来ました.このように,自発的に学習する場所があることで,自分から行動することの大切さを学び,また個々の能力が磨かれて行くので,研究室に所属して大変良かったと感じています.
研究室で学びたいこと
私はこの研究室に入り、フィールドワークで実際に河川へ出かけたり、先輩から実験の方法を教わったりして、この1年間で多くの貴重な経験をすることが出来ました。また、調査や勉強などを通して、過剰施肥などが原因で起こる水田からの窒素流出の問題を知り、水質汚染に興味を持つようになりました。卒業論文では、火力発電所から発生する石炭灰の一種であるクリンカアッシュによる水質浄化に関する研究をし、農業環境の改善に貢献したいと考えています。
水利施設工学研究室について
この学科は研究室活動が強制ではなく、研究室に所属することは個人の選択の自由とされているなかで、私はこの研究室に所属したことによりさまざまな貴重な経験・知識を得ることができました。先輩から教わりながらの実験のお手伝いなどこの一年間の研究室活動のなかで私は「農業用水路の騒音問題と軽減対策」に関する研究を卒業論文研究として選びました。先輩から引き継いだこの研究は水路における流水による騒音問題というあまり私たちにとって馴染みのない問題を対象にしています。ただ、流水音を下げるだけということは一見簡単なことのように思えますが、実際に先輩の研究をお手伝いさせて頂いたなかで非常に奥深く、そして理論的にかつ問題の根本的な解決を図ることが非常に難しい研究だということがわかりました。自分にとってこの研究は大きなチャレンジではありますが、それでも大きなものを得ることができると確信しています。自分の大学生活の集大成として、この研究室でこの高いハードルに挑みたいと思います。
クリンカアッシュによる水質浄化機能の評価
クリンカアッシュとは石炭灰の一種で,現在では多くが廃棄処分されています.クリンカアッシュは多孔質材料であり水質浄化材としての利用が期待できることから,わたしはこれを卒業論文のテーマとしました.自分の研究が「資源利用」などの社会問題と直結していることにわくわくしました.
水利施設工学研究室に入って
私は卒業論文で歩行者系舗装の弾力性の評価に関する研究に取り組みました。舗装に関する知識が無かった私ですが、歩道の写真を撮ったり、論文を読んだりすることで少しずつ知識を蓄えていきました。そして、この舗装は意外と歩きやすい、外見は綺麗だけど歩きにくいなど、これまで考えなかった視点で歩道を歩くようになりました。研究室という今までとは違った環境で勉強することでこれまでとは違う学び方や、研究という地道な努力の積み重ねと根気が必要であることがわかりました。また、研究室に入らなかったら出会っていなかったであろう人々との出会いが研究室生活を潤してくれました。