環境基盤創成分野 社会基盤工学研究室
人と自然にやさしい環境保全技術を科学する
当研究室では、農村における生物生産性の向上と生態系の保全、都市における人や自然にやさしい環境の創造を目的に、技術的な研究に取り組んでいる。たとえば、水路や道路などを設計する場合なら、環境に配慮した設計を選択し、省資源・省エネを考えた工法の開発を進めていく。「循環型社会の構築」、「効率的なインフラ整備」をテーマに資源のリサイクル技術や新材料開発、構造物の効率的な維持管理技術の提案など、産官学が一体となった研究テーマを多数扱っている。
紹介動画・ポスター
所属教員
学生の主な研究テーマ
・アスファルト舗装の表面縦ひび割れに影響する疲労性状に関する研究
・コンクリート強度に対するセメントの相違の影響に関する研究
・鉄網とアスファルト中間層がコンクリート舗装の構造に及ぼす影響に関する研究
・プレキャスト版の供用性能に関する研究
・保水レンガを用いた冷却システムについて
・竹繊維を用いた路床改良法に関する研究
・移動式連続たわみ測定装置の開発
・舗装材料の熱特性値の評価法に関する研究
・多層弾性理論に基づいた舗装の動的解析ソフトウェアの開発
FREE TALK
H25 建設システム工学研究室OB・OG会の様子1
H25 建設システム工学研究室OB・OG会の様子2
H25 建設システム工学研究室OB・OG会の様子3
H25 建設システム工学研究室OB・OG会の様子4
H25 建設システム工学研究室OB・OG会の様子5
H25 建設システム工学研究室OB・OG会の様子6
研修旅行
私たちの研究室ではコンクリートについて研究しています。毎年、夏休みの期間を利用して、ダム、水路や魚道などの土木施設の見学に行きます。今年は静岡県島田市で川から用水を引入れるための頭取工や用水を農地へ送水、配水する用水路や用水の流量、水位を調節し配分するための分水工など、一連の水利施設を見学しました。ダムなどの水利施設を点では無く、順を追って見ていくことで、水が私たちの元に届くまでの流れを知ることができました。その他にも、現地の公務員の方に施設を説明して頂き、管理センターで実際に管理する様子を見学させて頂いたりしました。
普段、土木関係者と話す機会はありませんが、実際に現場の話を聞くことで興味が深まりました。研究室を卒業した多くの学生が土木の分野で活躍しているのはこのような経験がきっかけになっているのかもしれません。
机の上で覚えた知識ではイメージしにくいことも、実際に目にすることでより深く理解することができ、農大の教育理念である実学主義がここにあると感じました。
収穫祭
私たちの研究室では、4月から10月下旬に行われる収穫祭学術出展の研究に取り掛かります。私たちの研究室は毎年賞を頂いており、それが伝統になっています。私たちは先輩方に負けないようにと仲間たちと協力して研究を進めていきました。
今年はヒートアイランド現象の原因の一つである舗装の蓄熱をテーマにしました。このテーマは参考にする論文が少なく、具体的な実験方法や評価方法を調べるのに苦労しました。その後も実験機器が無いといった問題もありましたが、以前研究室で行った実験を参考にし、先輩方に相談するなどして実験を行うことが出来ました。この時、一から実験方法を考えることの大変さを知りましたが、思考錯誤することで無事に展示までこぎつけました。
収穫祭当日はお客さんに発表を行うので、どのようにしたらより分かりやすい発表になるのかなどをと考え、より魅せる発表に出来るよう工夫しました。その結果、お客さんから貰った「丁寧に説明をしてくれてありがとう。面白かった。」の言葉は、今までの努力が報われた気がしました。
今年の研究は銅賞を頂きました。みんなで協力し結果を残せたことは、一生の財産です。
卒業論文感想
私の卒業論文の感想は、「楽しかった」の一言に尽きます。自分で仮説を立て、実験方法を考え、必要な物を造り、実験を行い仮説を検討していく過程において、全てが初めてのことばかりであり、自分が興味のある分野を学習し、作業をすることが非常に楽しかったです。
私の研究は平たくいうならば、木材の燃やしやすい形状を探るという内容です。近年、地球規模での気候変動や石油資源の枯渇から非化石燃料への移行が求められてます。私はその中でも日本に豊富に存在する木質資源に着目し、木材をペレットという円筒状の固体燃料に加工し、どのような形状のペレットが燃えやすいか実験的に検討しました。
実験では自分の全く意図していない結果がたびたび表れ、そのたびに原因を考え、改善し、試行することを繰り返していきました。そして、良好な燃焼方法を見つけたときの喜びは他では得難い物がありました。今後私は、大学院で修士論文に取り組むことになりますが、2年間の限られた時間を精一杯楽しんでいきたいと思います。