農業経済分野 農業経済研究室
幸せな食を創る「農業」の価値・人・カタチを考える
― 次の農業へ ―
本研究室では、新しい技術の発展や、社会経済環境の変化に対応した「次の農業」を研究し、持続可能で幸せな「食の世界」を創造します。
具体的には、①農業システム、②人材マネジメント、③政策・計画の三つのテーマです。
①農業生産を中心に6次産業化、農商工連携といった視点から、付加価値を生み出す農業システムを考えます。
③農協や集落営農、地域住民など地域農業に関わる主体の役割について分析し、農村や都市近郊農業が発展するための政策や計画を考えます。
「次の農業」を創るためには、昔や今を知ることが大切です。各地で活躍する人たちへの調査・交流を通じて、消費者だけでなく生産者や地域も幸せにする、食の世界を創造します。
所属教員
学生の研究テーマ
集落営農法人におけるスマート農業導入による人材育成への効果
農産物直売所を基軸とした6次産業化による地域活性化
規制緩和による企業参入の推進は中山間地域を救うか?
生産部会の共選共販体制におけるインセンティブ設計
有機農業に取り組む新規就農者の類型化と社会的ニーズへの対応
2020年度の研究室活動
農業経済研究室では、学生を中心に毎年一つのテーマを決めて、教員三名も参加して、共同研究をしています。共同研究の成果は、毎年11月に行われる収穫祭の文化学術展で、他の研究室とともに、発表します。当日は、一般の参加者や、研究室のOBOGの方など、多くの方に学生が直接説明しています。
2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響があり、収穫祭が中止、私たちが最も大切にし、楽しみしている現地調査ができない、という状況でしたが、学生たちの工夫と、現地の農業者や、企業、公的機関の方の協力を得て、例年通り(以上?)に充実した活動ができました。
今年のテーマは、「集落営農法人におけるスマート農業導入による人材育成の効果」。スマート農業という、今後の農業を変えていく新しい技術が、日本ならではのムラを基盤とした集落営農法人にどのように影響するか、特に、今後の農業を担う人材の育成に、どの程度効果があるのか、分析しました。
現地調査に行けないことを逆手に取り、通常、一地域に行っている現地調査を、Zoomで全国4地域・法人に調査を行うことができました。農事組合法人神崎東部さま(千葉県)、農事組合法人うもれぎの郷さま(山口県)、農事組合法人田原さま(長野県)、農事組合法人ほづ様(京都府)のみなさん、調査協力、どうもありがとうございました。
また、収穫祭の代わりに、主に学内者対象にとした文化学術展で、Zoomで発表することができました。さらに今年は、アグロ・イノベーション2020(主催:一般社団法人日本能率協会、学術共済:全国農学系学部長会議、一般社団法人日本農学会、後援:農林水産省、経済産業省、日本貿易振興機構(ジェトロ))という、大変大きなイベントに参加し、多くの関係者の前で発表することもできました!
調査も、研究室での議論も、特に前期は遠隔で行わざるを得ず、苦労も大きかったですが、特に3年生の頑張りにより、大きな成果を残すことができた一年でした。
Zoomでの調査風景。左側のおじいちゃんと若い女性が、集落営農法人の代表と従業員。
ホワイトボードに書いて、調査結果についてディスカッション
Zoomでの文化学術展。例年のパネルではなく、パワーポイントで報告。
アグロ・イノベーション2020での発表。
様々な業界で活躍している人を前に、研究成果をぶつけました。
すべての発表を終え、充実感とともに
コロナのもとで研究室活動
新型コロナウイルス感染症に対しては、大学全体の方針に従い、しっかりと対策をしつつ、教育・研究・交流が十分にできるよう、活動しています。
学生による発表(教室とZoomのハイブリッド)
質問は、Zoom参加者にも届くよう、接続しています
研究室の時間以外にも、パネルなどでコロナ対策をしながら、共同研究の進め方を議論