開発加工分野 食の化学研究室
資源の素材化から製品開発まで幅広く食を探求
北海道は、日本最大の食糧供給地域です。食の化学研究室では、食品や香粧原料について化学的、物理的視点から、それら生物資源の有効利用方法を検討し、素材特性からその製品化まで食品や香粧品の幅広い新規開発に取り組んでいます。さらに、他の研究室との各種共同研究を通じて、地域や産業の活性化に寄与する研究をめざしています。また、学内外の施設を活用してビールや発泡酒の醸造研究から農・畜・水産加工製造などを実践しています。
食の化学研究室の研究テーマ
1
カラフルポテトの加工利用に関する研究
紫や赤、黄色といった鮮やかな色彩を有するカラフルポテトは、栽培時に強い耐病性を持つだけでなく、高い抗酸化性を示すなど機能性についても興味ある特性を有しています。しかし、一般にはまだ白色系のジャガイモが主流です。
一般消費者におけるカラフルポテトの普及を促進するため、その特性を明らかにすると共にその利用促進を図る取り組みを行っています。
2
ホタテ加工の新しいビジネスモデルの構築
ホタテガイの生産量は北海道が最も多く、特にオホーツク海沿岸で生産が盛んです。オホーツク産ホタテガイは干し貝柱として加工され8割が海外へ輸出されています。食の化学研究室では、干し貝柱の伝統製法における問題点を改善するために、新しい製法を提案しています。品質形成を化学的に解明し、色調、香気、健康機能など、高品質な製品を安定に製造するため生産技術開発に取り組んでいます。このようなホタテ加工の新しいビジネスモデルを産業界へ向けて提案し、実用化を目指します。
3
エゾシカ・エミュー肉を活用した加工食品の開発
エゾシカは北海道の魅力的な野生動物ですが、近年の個体数が急激に増加し、農林被害などが問題となっています。エゾシカ肉は、牛肉・豚肉・鶏肉よりも高タンパク質、低脂肪、低コレステロール、高鉄分の食肉です。 エミューはオーストラリア原産の大型走鳥ですが、網走市に輸入され、繁殖に成功しました。エミュー肉はエゾシカ肉と同様にヘルシーな食肉のため、現代の食生活に適した食肉として期待されています。 エゾシカ肉やエミュー肉の化学性と加工特性を生かした新たな加工食品を開発しています。
所属教員
学生の主な研究テーマ
・エミュー肉を用いた加工食品の開発
・エゾシカ肉を利用したソーセージの開発
・エミューの皮を用いた化粧水の開発
・すり身を活用したおさかなスィーツの開発
・エゾシカ肉を用いたハムの開発
・エゾシカ肉を用いたジャーキーの開発
・サケ蒲鉾の開発
FREE TALK
この研究室では商品開発が目標であるため、みんなが毎日ユニークな商品を造ります。それを食べるのが楽しみだったりします。たまにはそれだけでお腹がいっぱいになっちゃうことも!!この土地でしかなかなか食べられないシカ肉なんかもこの研究室では毎日のように食べられます。ここ網走は資源が豊富で食べ物もおいしいところです☆こんな自然いっぱいの土地で大きな夢をもって新商品を開発してみませんか?きっといい思い出になりますよ☆
(山本絵理)
研究室の行事で最も印象に残っているのは東京農業大学における文化祭「収穫祭」です。収穫祭では部活やサークル、研究室毎に模擬店を開くのですが、私たち研究室の模擬店では乳酸発酵飲料「New 乳」とジャムを販売しました。いずれも研究室の学生達が加工実習センターで製造したもので、自分達が製造に携わったものが売られていく様を見ると、何ともいえない充実感を感じました。
(林高宏)
私の研究室は、食品資源開発を主に研究する研究室です。将来私は、食品会社で商品開発をすることが夢だったので、この研究室で将来の目標に一歩近づける研究をしたいと思っていました。ここでは、卒業研究のテーマは卒業した先輩のテーマの中からテーマを選ぶのではなく、自分のやりたいテーマを選ぶことができます。そのため、過去のデータなどはなく自分で考え実験をしていかなければなりませんでした。卒業研究はとても大変でしたが、研究に行き詰った時には先生方が相談に乗って下さり、アドバイスをしていただきながら研究を進めていくことができました。また、自分の興味のあるテーマでの研究は楽しく、4年間で得た知識の全てを活かすことが出来きたと思います。
研究室での行事は、研究室旅行や収穫祭などがあります。一緒に頑張っている仲間だからこそ、このような行事も楽しむことができ、大変な研究をしていく励みになったと思います。この研究室での1年間はとても良い経験になりました。
(増田美紀)
私の研究室は学校にいるときもプライベートでも仲良しです。休みの日にはボーリングやドライブをしたり、夏は釣りに行き、冬はスノーボード旅行やワカサギ釣りをします。誕生日にはケーキを作ってみんなでお祝いします!!学年関係なく仲良しなので、先輩にフランクに話を聞けるのはとても良いところだと感じます。収穫祭では協力して、New乳やワッフルなどを販売し、文展では最優秀賞を取りました。みんな一人暮らしだからこそ協力して学生生活を楽しめると感じています。
(大谷沙織)
この研究室では、網走という土地ならではの豊富な資源を利用して新たな食品を開発しています。例えば、マスのせんべい、すり身のドーナツ、サケのかまぼこ、シカのソーセージ・ハム・ジャーキー、エミューのフランクフルト、エミュー脂の化粧品だったり!研究室内では毎日いろいろな製品が造られ、食べられ、改良されていきます。「商品開発という研究のよさは??」というと、なんといっても研究の成果が実際に自分で見たり、食べてりして感じられるとこ!おいしくなっていく製品は楽しみで仕方ありません。ですが、商品開発というものは決して楽なものではありません。さまざまな壁にぶち当たることもあるでしょう。そんな時助けてくれるのが研究室の仲間です。この研究室は他と比べてちょっと大変かもしれませんが、そのおかげで研究室のみんなの仲がよいと言っても過言ではありません。辛いときもみんなで励ましあって頑張っています。僕はこの研究室の仲間に出会えて本当によかったといつも思います。みなさんもよい仲間と研究室生活を送って下さい。あと、研究室ブログもチェックしてね☆☆
(坂尚憲)